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食と体調管理

「ロサンゼルスオリンピックで再び金メダルを取る」体操日本代表・萱和磨が目指す次の目標とその日々を支える食習慣

矢内由美子

2025.05.01

写真:GettyImages

写真:GettyImages

―迎えたパリオリンピックでは再び主将として男子団体チームを牽引し、今度は団体金メダルを獲得しました。最終種目の鉄棒で中国を大逆転するドラマチックな試合でしたが、常に「諦めるな」と仲間に声を掛ける萱選手の姿がありました。改めてパリオリンピックはどんな大会だったでしょうか?

 東京オリンピックの時から、日本チームでの僕の役割は「失敗しない」ということでした。パリに向けてはその役割をもっと分厚く遂行するために、「各種目のトップバッターとして演技をし、失敗しない」ことや、「6種目のどれを任されてもいいように」という考えを持って準備を進めました。

 実際、団体決勝は最後の種目まで何が起きるか分からないものですし、試合中はずっと諦める理由などないと思っていました。平行棒を終わって3点差があったので大きな得点差ではあったのですが、その点差でも諦める必要はまったくないと感じていました。

―これからの目標をお聞かせいただけますか。

 今も体操が好きで楽しくてもっと上手くなるために練習をしているので、ロサンゼルスオリンピックで再び金メダルを取ることです。そこから先のことはまだわかりませんが、体操に夢を与えてもらった人生なので、いずれ体操に携わって恩返しをしていきたいです。
 
―ここからは食事についてお聞かせください。子どもの頃はどんな食生活でしたか?

 幼少期は食が細く、お菓子やアイスも食べない少年でした。甘いものが好きじゃなくて、ご飯もあまり食べないのでガリガリだったのですが、体操を始めてから少しずつ食べる量が増えました。というのも、先生たちから「体操が上手くなるには食べないとダメだよ」と言われていましたし、家では母が「お茶碗2杯ルール」をつくったんです。

 お茶碗2杯のご飯を食べないと練習に行かせませんと言われてからは、必ず2杯食べるようになりました。今の僕は細身ですが周りの人と比べても丈夫ですし、今のところ大きなケガもしていません。

―萱選手は今年29歳になります。最近はどんな食生活を心掛けていますか。

 大学卒業後に社会人になって一人暮らしを始めてから、朝は必ず納豆を食べるようになりました。スーパーで手軽に買えるし、納豆があればご飯が進みますからね。結婚してからは納豆ご飯に加えて、お味噌汁と副菜を一品が定番です。ご飯は180グラムと決めています。

 僕は食事や生活習慣のルーティンを大事にするタイプなのですが、なぜそうしているかというと、例えば練習で調子が悪い時に原因を考えて、朝食や寝る時間がいつもと一緒だと原因をどこなのかを絞りやすくなりました。

―栄養の知識はどこで学んだのですか。

 周りの人に聞いたりしながら少しずつ知識を得ていきました。それと、妻が大学に入り直して管理栄養士の資格を取得するために勉強しているので、その知識から献立を考えてくれています。でも食事は楽しむのも大事だと思うので外食することもありますよ。

―海外遠征も多いと思います。遠征時の苦労や工夫していることを教えてください。

 昔は海外の食べ物に嫌いなものが多く、特に野菜を摂ることに抵抗があって肉ばっかり食べていました。でも、野菜を食べないと便通が悪くなってしまったり、体調が悪くなったりするので、最近は海外でもトマトなどはしっかり摂るようにしています。

 あとは、基本的にご飯が好きなので、アルファ米を持って行って、おかずはレストランで食べるなど工夫しています。フリーズドライのお味噌汁やスープなどのほかに、サバ缶やハンバーグ、切り干し大根など副菜を真空パックに詰めたものなどもあって助かっています。

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