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競馬

【名馬列伝】“天才を天才にした”スーパークリーク。オグリキャップ、イナリワンと「平成三強」を形成した稀代の名ステイヤー

三好達彦

2025.07.11

 ゲートが開くと、スーパークリークは意表を突く積極先に出て、3番手をキープ。オグリキャップは中団7番手を進み、イナリワンは後方集団の12番手から追走した。タイトな流れのなか、第3コーナーから3頭はポジションを押し上げながら直線へ向いた。

 3番人気に推されたメジロアルダンがわずかに先頭へ出ると、そこへスーパークリークが並びかける。オグリキャップは進路を確保するためにやや仕掛けが遅れたが、外へ持ち出すや猛然と追撃を開始。ゴールまで100mを切ったところでスーパークリークがメジロアルダンをわずかに交わすと、鞍上の激しい叱咤に応えたオグリキャップが猛然と襲い掛かるが、それをクビ差抑えてゴール。切れ味では劣ってもスタミナでは負けないスーパークリークをもって、「オグリキャップにどうしたら負けないかを考えていた」という武のレースプランが見事に功を奏して熱狂の一戦をモノにしたのだった。

 その後、ジャパンカップ(GⅠ)ではオグリキャップの2着に対して、スーパークリークは4着。有馬記念はイナリワンが優勝し、スーパークリークはハナ差の2着。オグリキャップは5着に敗れ、3頭が火花を散らした熱い秋シーズンは、こうして幕を閉じたのだった。
 
 翌春、スーパークリークはイナリワンを2着に降して天皇賞の秋春連覇を達成。宝塚記念(GⅠ)は疲労のため回避したが、秋も京都大賞典を難なく制した。しかし、レース後に右前肢の繋靭帯炎を発症。2連覇がかかる天皇賞(秋)を回避し、そのままターフに別れを告げた。

 オグリキャップ、イナリワンという好ライバルを得て、若き日のレジェンドジョッキーとのコンビで輝きを放った名ステイヤー。スーパークリークと武豊の名は不可分のものとしてファンの記憶に刻み込まれている。(文中敬称略)

文●三好達彦

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