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食と体調管理

「多くの人にサポートされながらなんとか取ったオリンピック」競歩元日本代表・荒井広宙が挑み続けた競技生活と日々を支えた食習慣

矢内由美子

2025.09.01

写真:本人提供

写真:本人提供

―現在のお仕事についてお聞かせください。

 引退後に富士通の健康推進本部に勤務して3年です。社員の健康面を預かる部署です。富士通では今も健康診断は自社内で行なっていて、川崎市の富士通クリニックでは社員のほかに地域住民にも医療機関として解放しています。私がやっているのは社員向けのウォーキング教室やストレッチ教室。自分がやっていたことをダイレクトに活かせる部分です。健康診断とは別に、私も現役時代に使っていた「インボディ」という高精度な体組成計を使ってさまざまな項目の測定を行う企画も行っています。

―ウォーキングをする人が増えています。歩き方のコツやアドバイスをいただけますでしょうか。

 3つのポイントがあります。1つは姿勢。頭・肩・骨盤・足首を一直線になるように立つことです。姿勢が悪いと腰を痛めることにつながりますし、体に余計な力が入ってしまいます。2つ目はしっかり腕を前後に振ること。3つ目は、かかとから着地しましょうということです。これらはウォーキングのアドバイスをする時にいつもお話しさせていただいていることです。

―競歩や陸上競技を頑張っているジュニアアスリートへのアドバイスもいただければと思います。

 長期的な目線でやってほしいですね。目の前の試合ですぐに結果を出そうという気持ちも大事ですけど、半年とか1年とか何年後とか、長いスパンで捉えると取り組み方が変わってくると思います。短期的なスパンだと過激なことや大げさなことやってしまいますが、長期的に見ると落ち着いた練習ができますし、ケガのリスクも抑えられます。

 競歩特有のことに関して言えば、正しいフォームをつくることを意識してほしいです。どれだけ速くても歩形が悪いと失格になりますから。シニアになって歩形に苦しんでいる選手もたくさんいるので、そこに苦労してほしくないなと思います。
 
【プロフィール】
荒井 広宙(あらい ひろおき)/ 1988年5月18日生まれ・180センチ 
長野県小布施町出身。中野実業高校2年生の時に陸上競技の長距離から競歩に転向。福井工業大学卒業後の2011年に世界選手権に初出場して50km競歩で10位。世界選手権には4大会連続で出場した。自衛隊体育学校所属だった2016年にリオデジャネイロ五輪代表になり、競歩の全種目を通じて日本人初の表彰台となる銅メダルに輝いた。2019年から富士通に所属し、2022年日本選手権を最後に引退。現在は富士通に勤務している。

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