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バレーボール

絶賛された謝罪会見も「ものすごく反響が怖かった」。トヨタで学んだ川合俊一新会長で日本バレー界が変わる【独占インタビュー】

北野正樹

2022.07.15

多くのファンを集めて開催された大阪でのネーションズ<br />
リーグ。写真:北野正樹

多くのファンを集めて開催された大阪でのネーションズ
リーグ。写真:北野正樹

「僕のいくところは、栄えるんです」。“ツキ”を持っていると自認する。

 入った中学では初めて全国大会で決勝に、高校は初めて関東大会優勝。日体大では1年で春秋リーグと大学選手権で優勝し、日本代表では1983年のアジア選手権で中国にフルセットの末、逆転勝ちしてロサンゼルス五輪の切符をつかみ、入社した富士フイルムは3年連続優勝で、新商品の「写ルンです」が大ヒット。

 スポーツキャスターに転じた日本テレビでは視聴率三冠に貢献し、2015年に入社したトヨタ自動車は売上高、純利益で過去最高を更新。今年からトップパートナーとなったカプコンは、5月11日に2022年3月期決算で売上高が1100億5400万円、純利益325億5300万円といずれも過去最高になると発表している。

 バレーでは、男女ともVNLで決勝ラウンド進出を果たし、男子の大阪会場は日本戦のチケットが完売する大人気となった。JVAの財務内容も、スポンサーの増加で大幅に改善される見込みだ。
 

 目指すリーダー像はこうだ。
「誠実が一番ですね。選手時代から、あの人のようになりたいとは思ったことがありません」
「40人足らずのJVAで、『前の会長と話したことがない』という職員もいました。僕は新入職員とも普通にしゃべろうと思っているし、話しかけられやすい会長でいたいと思います」

 JVA内でやり取りする「Teams」では、常に情報を共有する。「これまでは、JVAの方向性などを新聞やネット媒体で知るという職員が多かったと聞きますが、私が今、何を考えているのかを伝えています」。

 目立たない変化もある。ホームページ上で公表する理事会の議事録が、就任後にわかりやすくなった。決算の説明では「正味財産は210百万円増加し、1835百万円」と表記していた前年に対し、今年は「予算15億円のところ決算は20億円となり、4億6300万円上回った」と平易な表現に改められた。

 また、これまでベールに包まれていた会長職の年俸が、最大で840万円であることも22年3月22日の臨時理事会報告の議事録で明らかにされた。

 議事録での表記や内容は川合会長が指示したのではなく、常に透明性を求め、「分かりやすく説明してほしい」と語り掛ける川合会長の思いを、職員らが具現化したものだという。

 ガバナンスの確立、コンプライアンスの強化など改革は緒に就いたばかりだが、愛され信頼されるバレー界に向け、未来は明るい。

文●北野正樹(フリーライター)

【著者プロフィール】
北野正樹(きたの・まさき)/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。関西運動記者クラブ会友。

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