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食と体調管理

「苦しかったことが今の自分の武器に」平泳ぎ・金藤理絵が挫折を乗り越えて掴んだ金メダルと日々を支えた食生活

矢内由美子

2023.07.03

写真:株式会社アミューズ

写真:株式会社アミューズ

■子どもたちには「自分で決めたことは最後までやり抜こう」と指導

――引退後はジュニアの指導をされています。指導するうえで大切にしていることはありますか。

 子どもたちには、「ただ泳ぐだけでなく考えながら泳ごうね」と伝えるようにしています。それは毎日、私がアドバイスできればいいのですが、それができないからです。

 特に低学年の子どもたちには、説明をした後に、「これから何を考えながら泳ぐんだっけ?」、泳ぎ終わった後に「今は何を考えながら泳いだ?」などを聞くように意識しています。そうすることで、少しでも記憶に残り、普段泳ぐときに思い出してもらえたらいいなと思っています。

 また、タイムが出ない、練習がきつい、うまくいかないという理由で水泳を辞めてしまうのではなく、辞める時は納得して前向きな気持ちで次の目標に向かって頑張って欲しいという気持ちがあります。

 困難に直面した時に、あともう少し頑張ってみようと思ってもらえるようなアドバイスなどをしていきたいと思いながら子ども達と接しています。

――ご自身のお子さんが水泳をやりたいと言われたときはどう思われるでしょうか?

 あまり口を出しすぎないように、担当の先生の言うことをしっかり聞くように、というスタンスでいきたいと思っていますが、まずは本人がやりたいことをやらせてあげたいですね。

 小学校に上がるまではいくつかの選択肢を示して、そこから自分で選んでもらいたいと思っています。また、何をしても母親が金メダリストということは付いて回ると思うので、それに打ち勝つ心の強さを養ってほしいと思いますね。

――最後にこれからに向けて取り組んでいることはありますか。

 引退した後にマスターズの方と接する機会が増えて、マスターズの方たちが本当に輝いているように見えたんですね。時間がないからできないというのは、本当にただの言い訳だというのを凄く感じたんです。

 それがきっかけで私もマスターズに出てみようと思って昨年登録し、今年の3月に初めてマスターズの試合に出ることができました。これからどうしていくかは決めていないのですが、もうちょっと頑張りたいなと思っています。
 

写真:株式会社アミューズ

金藤 理絵(かねとう りえ)
1988年9月8日 176センチ 広島県庄原市出身

小学校3年から本格的に水泳を始め、広島県立三次高校時代はインターハイを制するなど活躍した。2007年に東海大学に進学し、2011年卒業。社会人として水泳を続ける傍ら、東海大学大学院に進み、2013年に修士課程を修了した。中学校教諭・専修免許状(保健体育)・高等学校教諭・専修免許状(保健体育)を持つ。

大学2年生だった2008年に北京オリンピックに出場し、女子200m平泳ぎで7位入賞。2016年リオデジャネイロオリンピックでは同種目で金メダルを獲得した。2018年3月に現役を引退。現在はイベントゲスト・トークショー・講演活動・水泳指導を行っている。

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