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バレーボール

有言実行で掴んだ46年ぶりの表彰台! 日本男子バレー、躍進の秘訣とパリ五輪予選への課題は?

北野正樹

2023.07.30

 代表チームは今後、8月2日に国内合宿をスタート。イランでの事前合宿を経て8月19日からのアジア選手権(イラン・テヘラン)、最大の目標である9月30日から始まるパリ五輪予選兼ワールドカップ(東京・代々木第一体育館)に臨む。

 課題もある。9日間で7試合をこなし3日目、6日目に試合はないが、5戦目からは3連戦となるタイトなスケジュール。いかにアジア選手権も含めてケガをなくし、ベストなコンディションで最終予選に臨むことが出来るか。
 
 思い出されるのは、2016年のリオデジャネイロ五輪世界最終予選。前年のワールドカップでは1995年以来の5勝を挙げ12チーム中6位と躍進したが、五輪予選では石川が右膝を負傷するなどけが人が多く、力を出し切れないまま出場権を逃してしまった。

 当時の監督だった南部強化委員長は「ワールドカップが終わってから怪我人が続出し、最終予選前に招集した時にはほとんどコンディションが上がりませんでした。今、自分がやらなくてはいけないことは、コンディションを維持するために普段からの生活や食事療法などを考えること。すでにVNLの大会中から取り組んでいます」という。同じ失敗は繰り返さない。過去を知るからこそできる目配りだ。そんなところにも、強さの秘密があるのだろう。

「自分も監督時代にもっと早く気付けばよかったのですが、やはり経験しないと分からないこともあります。国際大会の遠征でビジネスクラスでの移動が出来ることも、選手にとってはありがたいことです」と、川合俊一・日本バレーボール協会会長らの支援にも感謝した。

「年齢や代表1年目とかは関係なく、大事なところでは責任を持ち、助けてもらうという前提ではプレーはしないでほしい」

 2023年5月、国内合宿に合流した石川主将がミーティングで選手に呼び掛けた言葉だ。
「大事なところで自分のパフォーマンスを出すためには、他に気を使っていては100%の力を出せないと僕は考えているので、自分で打開できるように練習をやってほしいと伝えました」と明かした石川。一人ひとりの意識の高さが結実した、46年ぶりのメダルだった。

文●北野正樹(フリーライター)

【著者プロフィール】
きたの・まさき/2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。関西運動記者クラブ会友。
【動画】石川祐希が21得点と躍動! 日本、国際舞台で46年ぶりのメダル獲得

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