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食と体調管理

「もう一度マラソンで上を目指してやっていきたい」マラソン・鈴木健吾が目指す完全復活と競技への思い。その日々を支える食習慣

酒井政人

2025.03.03

©Fujitsu

©Fujitsu

──食材としてのきのこについての印象を教えてください。

 僕は好きな方ですね。鍋や味噌汁によく入れますね。実家でもよく出ていました。シンプルに焼いて醤油をかけて食べていた記憶があります。

──きのこは低カロリーで栄養価の高い食材として注目されていますが、そういった栄養的な価値はご存じでしたか? 

 きのこにビタミンDやビタミンEが含まれていて、カルシウムの吸収を促してくれるこことは知識としてあります。

──きのこには腸内環境を改善する働きも報告されています。腸の状態、腸活について意識したことはありますか?

 腸内環境が悪いとパフォーマンスに影響するんです。特にマラソンを始めてからは食事と睡眠をより大切にしていますね。レース直前は当然ですが、日頃から食事の内容、タイミングには気をつけて、下痢など体調不良にならないように注意しています。
 
──男子マラソンで日本記録を樹立されましたが、パリ五輪への出場は惜しくも叶いませんでした。東京五輪が終わってからパリ五輪までを振り返ってどのような時間だったでしょうか?

 日本記録はまぐれじゃないか? と言われることもありましたし、自分でもそう感じる部分があったんです。だからこそ、翌年の東京マラソンを2時間05分28秒で走れたのは大きな意味があったと思います。4分台はまぐれではなく、自分の力がついてきていると実感できました。しかし、オレゴン世界選手権の直前に体調を崩して欠場してからは、自分が思っている以上に焦りがあって、長い間、引きずってしまったかなと思います。

──ご自身でもビックリされたという日本記録。自分のタイムとして、身近なものになってきた感覚はあったのでしょうか?

 そうですね。それ以上の記録を出せるような準備はしていますし、自分だけでなく、周りの選手も日本記録を更新してもおかしくありません。世界は2時間1分を切っているので、もっと上を目指していかないといけないなと感じています。

──2月24日の大阪マラソンに出場予定(編集部注:2025年1月6日に取材)ですが、これからの目標をお聞かせください。

 ニューイヤー駅伝は自分の良い状態とほど遠かったですけど、その後の練習は故障なく積み重ねていて、少しずつ調子も上がってきています。大阪では元気な鈴木健吾の姿を応援してくださる方に見せたいと思います。自分自身もう一度、マラソンで上を目指してやっていきたい思いが強いので、今年は復活と再チャレンジの一年にしたいです。

──趣味や健康のために走っている一般の方がたくさんいます。長く健康にランニングを楽しむために気をつけることがあれば教えてください。

 走るきっかけがダイエットの人、マラソンで完走したい人など様々な方がいると思います。共通して言えるのは、脚が痛くなったりすると、走り続けるのは難しくなるので、無理をしないで少しずつという気持ちが大切かなと思います。

──最後に、より高いレベルを目指して陸上競技に取り組んでいるジュニア世代に向けてアドバイスをいただけますか。

 最近はトレーニングはいろんな情報があふれているので、何が正解かわからないまま、練習をしている方は少なくないと思います。私たちも正解がわからないまま手探りでやっている部分もあるんですけど、まずは走るのがことを好きになってほしいですね。そして自分自身を信じて、自分のカラダに耳を傾けることが大切かなと思います。

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鈴木 健吾(すずき けんご)
1995年6月11日生まれ、愛媛県宇和島市出身。
神奈川大学卒、富士通所属。

小学校6年生のときに父親の勧めで陸上競技を始める。神奈川大学大時代は箱根駅伝に4年連続で出場して、3年時には花の2区で区間賞を獲得。4年時には全日本大学駅伝の最終8区で東海大を逆転して、20年ぶりの大学一に輝いた。社会人では故障に苦しむも、2021年のニューイヤー駅伝は6区で区間賞。12年ぶりの日本一に貢献した。同年3月のびわ湖毎日マラソンで日本記録となる2時間04分56秒で優勝。同年12月に女子マラソン東京五輪代表の一山麻緒さんと結婚したことを発表した。翌年の東京マラソンは日本歴代パフォーマンス2位(当時)の2時間05分28秒で日本人トップの4位。同年7月のオレゴン世界選手権代表に選出されるも、体調不良で欠場した。現在は再び、世界を目指して取り組んでいる。

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