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食と体調管理

「ダンスを通して伝えられることを増やしていきたい」パリ五輪出場ブレイキン・福島あゆみのダンスへの思いと日々を支える食習慣

元川悦子

2025.06.02

―-ここからは食事についてお伺いします。ブレイキンは体重管理が重要なスポーツだと思いますが、福島さんは食事面でどのような工夫をされていますか?

 ここ5年くらいは年齢も上がってきたので、食べるものの好みも変化したんですよね。2024年パリ五輪の強化選手になってからは栄養の先生もついてくれたので、いろいろ指導を受けて考えるようにもなりました。もともと野菜が大好きなんで、野菜中心の食生活を送っているんですけど、肉や魚を食べることはつねに心がけています。水分に関しても少し前まではあまり考えていなかったんですけど、その重要性を学んでからは摂取量が大幅に増えています。

 もう1つはお菓子。私はもともと洋菓子がメチャクチャ好きなんですけど、それを頑張って和菓子に変えるといった努力はしています。栄養の先生から聞いたことなんですが、ケーキやクッキーよりはようかんやどら焼きの方がいい。今はナッツやプロテインバーを補食で食べるようにもしています。

―-21歳でブレイキンを始めたきっかけが、カナダ生活で体重が10キロ増え、痩せたいと思ったからだと聞いたことがあります。お菓子が原因だったのかもしれませんね。

 そうですね(苦笑)。当時はまだブレイキンを始める前で、高校を卒業して留学したんですけど、食事が変わったのが大きかったのかなと思います。特にカナダで糖質の多いお菓子を食べていたせいで、一気にドーンと10キロくらい増えてしまいましたね。

 その後、ブレイキンを始めたら自然とどんどん体重が落ちていきました。5キロくらいまではバーンと落ちました。そこから先は落ち切らなかったので、そのまま維持しつつな感じでした。もともとそんなに大きい筋肉もつかない体質で、そのころの自分は筋肉のことなどあまり理解していなかったので自分としてはそれなりに動けていると思っていました(笑)。

―-急激な増減も経験もされましたが、きのこはローカロリーの食材ということで、摂取しやすかったのではないですか?

きのこや海藻は栄養士の先生からも食べた方がいいとアドバイスをいただいて、積極的に摂るようにしています。きのこは煮物に入れたり、炒め物に使ったり、お味噌汁に入れたりと、いろんな食べ方がありますよね。

 きのこの中で一番好きなのは舞茸かな。天ぷらなんかは本当においしいです。ただ、天ぷらを家で作るのは大変なので、鍋やお味噌汁に入れるのが簡単なので多いですね。海外に行ってもマッシュルームが必ずスーパーにありますし、できるだけ多く摂るようにはしています。
 
―-1日どれくらい練習するんですか?

 3時間と決めています。本格的な練習の前にストレッチや軽いトレーニングをして、終わった後のクールダウンもしますけど、練習自体は3時間で収まるように調整しています。強度の高い内容は1時間くらいですかね。もちろんコンディションやタイミングにもよりますけど、毎日毎日心拍数を上げるような練習を沢山やると体がついてこないので、そのへんは気を使っています。

―-アスリートの場合、練習後、1時間以内に食事を摂ることを徹底している人もいますが、福島さんはいかがですか?

 私の場合は練習後に指導の仕事があるので、すぐにご飯を食べられないんです。そこで先ほども話したようなピーナッツやプロテインバーを食べて、家に帰ってから夕飯を食べる形ですね。本当はトレーニング後にすぐ栄養補給するのは一番いいんですけど、出来ない場合は補食を摂ることが大事だと思います。

―-あとは朝昼晩の3食をきちんと摂ることですかね?

 そうした方がいいんでしょうけど、実を言うと、私は朝食を食べないんです。朝昼兼用が1食目で、2食目が夜。間に補食というサイクルですね。自分ではそれで必要なエネルギー量に達していると考えていて、栄養の先生にも確認したところ、『それで大丈夫』と言われました。

―-40代になって、そういう食生活のスタイルが自分に合っているんですね。

 そうですね。体にいいものは何かを考えるのはもともと嫌いじゃないので、年齢も含めて向き合うようにはしています。あと他に意識していることと言えば、ヨーグルトと納豆を食べることですかね。連盟活動で海外遠征する時は納豆を持ってきて頂いていたので、本当にありがたいです。でも自分で行く時は難しいので、ヨーグルトだけで乗り切っています。

―-きのこにしても、発酵食品にしても、腸内環境を整える効果がありますね。

 私は環境が変わるとお腹が敏感に反応してしまうので、すごく気にしています。そういう食品を摂ることでかなり改善できますね。

―-―
福島あゆみ/ふくしまあゆみ
1983年6月22日生まれ、京都府京都市出身。

 高校卒業後にカナダ・バンクーバーに留学。一時帰国した2004年夏に姉の梨絵さん(NARUMI)に誘われ、ブレイキンを始める。さまざまな国内外のバトルにチャレンジし、2010年代は海外にも積極的に進出。2020年に2024年パリ五輪でのブレイキン正式種目採用が決まると、そこから代表の座を巡る予選に参戦。湯浅亜美(AMI)らとともに代表候補入りし、強化合宿に参加するようになった。2021年には、世界ブレイキン選手権(フランス)で金メダルを獲得。2022年・2023年大会でも3位・2位に入り、2022年京都府スポーツ賞特別栄誉賞を受賞するなど、パリ五輪の金メダル有力候補と目された。本番では準々決勝敗退という悔しい結果に終わったが、ブレイキンの認知度アップに大きく貢献。40代での五輪出場という意味でも大いに脚光を浴びた。現在も選手として第一線で活動しながら指導者、審査員活動、イベント参加など、幅広くキャリアを積み上げている。
 

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