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海外サッカー

「若いからこそミスをする。でも大胆にもなれる」堂安律、フランクフルトを支える27歳の矜持【ドイツ発コラム】

中野吉之伴

2025.10.29

今季からフランクフルトでプレーする堂安。(C)Getty Images

今季からフランクフルトでプレーする堂安。(C)Getty Images

 日本代表MF堂安律の存在感は、新天地のフランクフルトで着実に増している。

 昨季のフランクフルトは、組織立った守備とフランス代表FWユーゴ・エキティケの得点力を武器に3位でシーズンを終えた。しかし、今夏エースのエキティケがリバプールに去ったため、攻撃陣の再編成が必要になった。フライブルクから加入した堂安は、マインツから移籍のドイツ代表FWヨナタン・ブルカルトらと共に、攻撃陣の要として活躍が期待されており、試合を重ねるごとに自分の役割を明確なものにし、チームメイトとのフィーリングを改善している。

 ブレーメンとの開幕戦を4-1でものにしたフランクフルトは、2節ホッフェンハイム戦も3-1で快勝。この試合で堂安は見事なミドルシュートを含む2ゴール1アシストの活躍で、チームを勝利に導いた。ただ3節ではレバークーゼンに苦戦し、1-3で敗れている。この試合では後半、2人の退場者を出した相手になかなかビッグチャンスを作り出せず、チームとしての課題を残した。

 相手を揺さぶるための展開や、一度リズムをつかむために試合を落ち着かせる時間帯が少なかったのでは? というこちらの問いに対して、堂安は「特に後半、そう感じました」と答えた。

「選手の特徴的に、そういうのが得意な選手が少ないんです。うちにいる若いアタッカーはイケイケの選手が多いので、バランス的に難しいですね」
 
 そんな中、堂安は一度自分のところでボールを落ち着かせてからFWにパスをあてたり、相手の守備が薄いサイドへ展開したりしながら好機を作りだそうとしていた。

「もう少しFWのほうからもらいに来てほしいですね、出したいときにいないという状況はまだまだあるので。まあ、そこは時間がかかるところだと思いますけど。この試合をいいレッスンにして、次に進んでいく必要があると思います」

 チームとしてのタスクをこなす中で、自身のパフォーマンスを発揮するために、仲間と積極的にコミュニケーションをとり、お互いの意図を明確なものとし、その中で生まれた改善策をピッチ上に落とし込む。この反映スピードの速さとクオリティーの高さが堂安の素晴らしいところでもある。

 事実、そこからのブンデスリーガ2試合とチャンピオンズリーグ(CL)のガラタサライ戦で、フランクフルトは14ゴールも奪っている。堂安もガラタサライ戦では、結果としてオウンゴールになってしまったが、チームを目覚めさせる値千金のゴールを見事に演出。アシスト以外にも、ゴールの起点となるドリブルやパスで、チームの得点量産に大きく貢献している。
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