ジョアン・ガルシアの最大の特徴の1つは、その並外れた強心臓にある。
エスパニョールからバルセロナへとステップアップした2025年夏、それは同じ街のライバル同士の「禁断の移籍」であった。さらに新天地では、長年ゴールマウスに君臨してきたマルク=アンデル・テア・シュテーゲンが起こした騒動に否応なく巻き込まれる形となった。しかし、彼は黙々と努力を続け、瞬く間に正守護神の座を不動のものとした。古巣との対戦となった年明けのカタルーニャ・ダービーは、そんな彼にとっても大きな試練になると目されていたが、終わってみれば好守を連発して2―0の勝利に貢献。改めてその精神力の強さを証明してみせた。
試合後、現地メディアは称賛の嵐に包まれた。スペイン紙『SPORT』の編集長、ジョアン・ベイルス氏はこう綴る。「両チームの決定的な差は、GKのパフォーマンスにあった。バルサのジョアン・ガルシアは枠内に飛んできたあらゆるシュートを、彼はたった1人でことごとく阻止し、弾き出し、あるいは完璧にキャッチしてみせた。間違いなく、この守護神は近年のバルサが獲得した新戦力の中でも最高の1人だ。これほどのレベルにあるジョアン・ガルシアが最後尾に控えている限り、今のバルサが負ける姿を想像するのは難しい」
また、同紙の元編集長、ジョゼップ・マリア・カサノバス氏もそれに追随する。「この夜、最大の勝者はジョアン・ガルシアだった。異様な熱気に包まれ、敵意に満ちたスタジアムでプレーするという過酷な心理テストを、冷静沈着かつ研ぎ澄まされたパフォーマンスで見事に乗り越えてみせた。彼は歴史に名を刻む守護神になる――その確信を、誰もが深めたはずだ。彼は人生で最も困難な試験を、最高評価で突破したのである」
この活躍を受け、以前から持ち上がっていたスペイン代表招集待望論が一気に加速した。ルイス・デ・ラ・フエンテ監督はこれまで、実績を重視してウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)、ダビド・ラヤ(アーセナル)、アレックス・レミロ(レアル・ソシエダ)の3人体制を維持してきた。しかし、メディアの圧力と本人の驚異的な成長を前に、指揮官も方針転換を迫られている。スペイン紙『EL PAIS』は、アルゼンチンとの「フィナリッシマ」を控えた3月のインターナショナルウィークで、ジョアン・ガルシアを招集するだろうと報じている。
当然、招集されれば「レギュラー論争」が巻き起こるだろう。それはチーム内に火種を生む可能性もあるが、フリージャーナリストのミゲル・キンターナ氏はこう主張する。「代表チームでのこうした序列の交代は、『選ばれし者』が誕生した時にしか起こり得ない。そして今、ジョアンが体現しているのは、まさにその特別な存在感なのだ」
周囲が喧騒に包まれる中、当の本人は至って冷静だ。「僕の目標は、バルサの選手として1試合ごとに成長し続けることだ。もちろん代表に選ばれれば嬉しいし、声がかかればこれほど誇らしいことはない」
自分自身がすべき役割にのみ集中するストイックな姿勢。バルサの経営戦略にも精通するビジネス界の重鎮、エンリク・ジョベ氏は、ダービーで見せた彼の振る舞いをこう称えた。
「彼は語らなかった。逃げもしなかった。反論さえしなかった。ただ、自分のプレーに徹したのだ。試合の1週間前も、試合中も、そして試合が終わった直後でさえも、その姿勢を貫き通した。振る舞いは控えめだが、ゴールマウスに立つその姿は圧倒的だった。なぜなら、ジョアン・ガルシアは誰かに気に入られるためにプレーしているわけではないからだ。彼は自らの成長のために、そして『偉大なチームは常に、偉大な守護神から築かれるものだ』と証明するためにピッチに立っている。彼はそのプレーを通して叫んでいるのだ。バルサが求めていた答は、ここにあるのだと」
文●下村正幸
【動画】バルサがクリーンシートで勝利! エスパニョール戦ハイライト
エスパニョールからバルセロナへとステップアップした2025年夏、それは同じ街のライバル同士の「禁断の移籍」であった。さらに新天地では、長年ゴールマウスに君臨してきたマルク=アンデル・テア・シュテーゲンが起こした騒動に否応なく巻き込まれる形となった。しかし、彼は黙々と努力を続け、瞬く間に正守護神の座を不動のものとした。古巣との対戦となった年明けのカタルーニャ・ダービーは、そんな彼にとっても大きな試練になると目されていたが、終わってみれば好守を連発して2―0の勝利に貢献。改めてその精神力の強さを証明してみせた。
試合後、現地メディアは称賛の嵐に包まれた。スペイン紙『SPORT』の編集長、ジョアン・ベイルス氏はこう綴る。「両チームの決定的な差は、GKのパフォーマンスにあった。バルサのジョアン・ガルシアは枠内に飛んできたあらゆるシュートを、彼はたった1人でことごとく阻止し、弾き出し、あるいは完璧にキャッチしてみせた。間違いなく、この守護神は近年のバルサが獲得した新戦力の中でも最高の1人だ。これほどのレベルにあるジョアン・ガルシアが最後尾に控えている限り、今のバルサが負ける姿を想像するのは難しい」
また、同紙の元編集長、ジョゼップ・マリア・カサノバス氏もそれに追随する。「この夜、最大の勝者はジョアン・ガルシアだった。異様な熱気に包まれ、敵意に満ちたスタジアムでプレーするという過酷な心理テストを、冷静沈着かつ研ぎ澄まされたパフォーマンスで見事に乗り越えてみせた。彼は歴史に名を刻む守護神になる――その確信を、誰もが深めたはずだ。彼は人生で最も困難な試験を、最高評価で突破したのである」
この活躍を受け、以前から持ち上がっていたスペイン代表招集待望論が一気に加速した。ルイス・デ・ラ・フエンテ監督はこれまで、実績を重視してウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)、ダビド・ラヤ(アーセナル)、アレックス・レミロ(レアル・ソシエダ)の3人体制を維持してきた。しかし、メディアの圧力と本人の驚異的な成長を前に、指揮官も方針転換を迫られている。スペイン紙『EL PAIS』は、アルゼンチンとの「フィナリッシマ」を控えた3月のインターナショナルウィークで、ジョアン・ガルシアを招集するだろうと報じている。
当然、招集されれば「レギュラー論争」が巻き起こるだろう。それはチーム内に火種を生む可能性もあるが、フリージャーナリストのミゲル・キンターナ氏はこう主張する。「代表チームでのこうした序列の交代は、『選ばれし者』が誕生した時にしか起こり得ない。そして今、ジョアンが体現しているのは、まさにその特別な存在感なのだ」
周囲が喧騒に包まれる中、当の本人は至って冷静だ。「僕の目標は、バルサの選手として1試合ごとに成長し続けることだ。もちろん代表に選ばれれば嬉しいし、声がかかればこれほど誇らしいことはない」
自分自身がすべき役割にのみ集中するストイックな姿勢。バルサの経営戦略にも精通するビジネス界の重鎮、エンリク・ジョベ氏は、ダービーで見せた彼の振る舞いをこう称えた。
「彼は語らなかった。逃げもしなかった。反論さえしなかった。ただ、自分のプレーに徹したのだ。試合の1週間前も、試合中も、そして試合が終わった直後でさえも、その姿勢を貫き通した。振る舞いは控えめだが、ゴールマウスに立つその姿は圧倒的だった。なぜなら、ジョアン・ガルシアは誰かに気に入られるためにプレーしているわけではないからだ。彼は自らの成長のために、そして『偉大なチームは常に、偉大な守護神から築かれるものだ』と証明するためにピッチに立っている。彼はそのプレーを通して叫んでいるのだ。バルサが求めていた答は、ここにあるのだと」
文●下村正幸
【動画】バルサがクリーンシートで勝利! エスパニョール戦ハイライト




