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海外サッカー

「タケ自身にはすべてが揃っているが…」現地メディアが久保建英の現状を分析「まだ“仲間”を見つけられていない」

THE DIGEST編集部

2020.12.14

時折、輝くプレーを見せる久保だが、その能力のすべてを発揮できているとは言い難い。(C)Getty Images

時折、輝くプレーを見せる久保だが、その能力のすべてを発揮できているとは言い難い。(C)Getty Images

 12月13日(現地時間)、ラ・リーガ第13節が行なわれ、ビジャレアルはベティスと1-1で引き分けた。

 リーガでは3戦連続引き分けの「イエローサブマリン」は、敵地での一戦、開始から5分でパウ・トーレスのヘッド弾が決まったが、次の1点は遠く、逆に51分、ルイバル・ガルシアの鮮やかなダイレクトボレーを叩き込まれ、このまま試合終了を迎えることとなった。

 久保建英は7節カディス戦以来、リーガでは2度目のスタメン入りを果たし、2列目右サイドで攻撃を担ったが、58分でサムエル・チュクウェゼと交代。フランシス・コクランの負傷交代を余儀なくされたビジャレアルが、前半で2度選手交代を行なっていたため、「ハーフタイム以外の選手交代は3回まで(人数は5人まで)」というルールに従い、久保の交代も早めたと思われる。

 58分間のプレーで、最も注目を集めたのは55分、右サイドで相手2人のマークを受けながら、左足の裏を使ったテクニカルなパスをマリオ・ガスパールに通した場面だ。マドリードのスポーツ紙『AS』は「彼がランプをこすると、最上級の選手になる――クボの純粋なファンタジー」と表現し、同じくマドリードのスポーツ紙『MARCA』は「こんなプレーがあるからこそ、久保はもっとプレー時間を得るに値する」と称賛した。

 しかし、それ以外の場面では効果的なプレーが少なかったのも事実で、前述のスポーツ紙2社ともに、採点では3点満点中の1点。『AS』は「積極的でプレーのクオリティーも高く、敵陣に容易に迫っていくも、ラストパスをミスした」と記述。闘志も空回りし、“どっちつかず”の印象だったというところか。
 
 一方、ビジャレアル専門メディア『VILLARREAL USA』は久保の守備面に言及し、ビジャレアルの失点時、彼が得点者ルイバルの近くにいながら、ボールにつられて右に動き、ボレーシュートの際にフリーにしてしまったのは大きな失敗だったと指摘している。

『AS』は記者コラムで「タケ自身には、自信、個性、自己愛、そしてクオリティーと、すべが揃っているが、彼はまだ“仲間”を見つけられていない」と記し、レアル・マドリーのヴィニシウス・ジュニオール、バルセロナのアントワーヌ・グリエーズマンと同様の状態にあるとした。

 周囲との連係が整わず、持てる力を存分に発揮できていないと指摘された久保。ビジャレアルはベティス戦でも数人の怪我人を出し、戦力不足に陥りつつあるが、それゆえに得られるであろう出場機会を活かし、チームプレーヤーとしてのレベルと価値を上げることができるだろうか。

 また、この19歳の日本人には去就問題もついて回っているが、マドリードのラジオ局『Cadena SER』は「1月のビジャレアル退団を見越して、(所有元の)マドリーにオファーを出すクラブが後を絶たない」と報じている。こちらについても、冬の移籍市場が近づいてきている中で、今後、どのような動きがあるか目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】久保建英が先発したベティス戦のハイライト。「純粋なファンタジー」と評された足裏でのテクニカルなパスも
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