現地時間11月29日に行なわれたチャンピオンズリーグ（CL）のグループステージ第５節で、アーセナルはランスに６-０の大勝を飾ってグループBの首位突破を決めた。右SBとしてスタメン入りした冨安健洋は、攻守で大きな貢献を果たしている。

　自身のゴール前への縦パスを起点にしてカイ・ハバーツの先制ゴールが生まれると、21分のガブリエウ・ジェズスの技あり弾、23分のブカヨ・サカの好反応による追加点を経て、冨安は27分にロングパスでガブリエウ・マルチネッリの美弾をアシスト。さらに前半アディショナルタイムにはオーバーラップからクロスを入れ、マルティン・ウーデゴーの左足のダイレクトボレーをお膳立てし、前半でピッチを退いた。

　後半も86分にジョルジーニョのPKで加点し、第２節に敵地で１-２の敗北を喫した相手に“３倍返し”を果たした一戦を終えて、冨安は自身のSNSで次ラウンド進出を喜び、仲間たちを称えたが、逆にミケル・アルテタ監督からは「彼は素晴らしかったと思う」と賛辞。なお、指揮官は前半での交代について「彼は多くの時間をプレーしており、我々のスケジュールはハードだ。現在、守備陣は手薄になっているため、今回のような大差がついたところでは、選手を入れ替えて休息や出場機会を与える必要があった」と説明している。
  「ゴール・オブ・ザ・ウィーク」の候補にウーデゴーの美しいボレーをノミネートしたUEFA（欧州サッカー連盟）の公式サイトは、冨安の１つ目のアシストについては「ランスの執拗なプレッシングが冨安にクリアを強要したが、それがロングパスとなり、マルチネッリの足元に落ち、その後は歴史の一部となった……」と綴った。

　２つ目のアシストを「冨安がペナルティーエリアの左に繊細なクロスを送った」と伝えた同メディアは、ゴール後の光景にも注目し、「ウーデゴーは冨安を指し示して感謝。それは、素晴らしいクロスに対して、そして何よりも冨安がクロスを上げられる位置に入るため、自陣深くから精力的に走り込んできたことに対してだろう」と指摘している。

　現地メディアの評価を見ると、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』は「冨安は良いクロスを何本も入れた」「日本代表からの素晴らしいクロス」と、彼のプレーに対してポジティブに言及し、10点満点の採点では最高タイの「８」。英国公共放送『BBC』もウーデゴーへのアシストを「見事」と評し、視聴者による採点はチーム７番目ながらも「8.57」という高い数字となった。