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海外サッカー

「非の打ちどころがない」マドリー加入1年目で最多得点記録更新のエムバペに対する各国メディアの好対照な評価!「失望のシーズンとみなされる」

THE DIGEST編集部

2025.05.13

ゴールハンターとしては十分に実力を示したエムバペ。(C)Getty Images

ゴールハンターとしては十分に実力を示したエムバペ。(C)Getty Images

 現地時間5月11日に行なわれたラ・リーガ第35節での「エル・クラシコ」で、2位のレアル・マドリーは首位バルセロナに3-4で敗れ、勝点差を7に広げられたことで、逆転優勝の可能性はほぼ潰えることとなった。

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 今季の宿敵との対戦では、11節のホームゲームで衝撃的な0-4の大敗を喫したのを皮切りに、スーペルコパ決勝では2-5、コパ・デル・レイ決勝で2-3と連敗を続けていたマドリーだったが、幸先良く2点を先取した今回のアウェーゲームでも前半のうちに守備を崩されて(時に自滅も……)4点を失って4連敗。1982-83シーズン以来の負の記録を樹立してしまった。

 この屈辱の一戦で、しかし輝かしい偉業を果たしたのがキリアン・エムバペだ。今季加入したフランス代表のエースは、開始5分に自ら倒されて得たPKを決めると、14分、70分とヴィニシウス・ジュニオールのアシストを受けてハットトリックを達成。これで今季の公式戦における総得点数が39に達し、イバン・サモラーノ(1992-93シーズン)が保持していた加入1年目での最多得点記録を更新したのである。

 クリスティアーノ・ロナウド(33得点)、ルート・ファン・ニステルローイ(33得点)、ロナウド(30得点)といったクラブのレジェンドたちを次々に上回り、さらにチリ代表のレジェンドストライカー、サモラーノをも抜いてついにトップに立った26歳は、ラ・リーガでは27得点を記録し、今回のクラシコではベンチで90分間を過ごしたロベルト・レバンドフスキ(25点)を抜いて得点ランキングのトップに立った。

 マドリードのスポーツ紙『MARCA』は、「この数字は歴史的なものである。エムバペはマドリーで史上最高のデビューシーズンを送った選手となった」と伝え、彼がさらにラ・リーガで3試合を残し、さらにクラブワールドカップも控えていることから、自身が昨季パリ・サンジェルマンで決めた44ゴールをも超える可能性も十分にあると期待を寄せる。
 
 また、同クラブにおける加入初年度での「ピチーチ」(リーグ得点王)受賞にも言及し、C・ロナウド、カリム・ベンゼマ、ラウール・ゴンサレスといったクラブ史に残る点取り屋でも成し遂げられず、これまでアルフレッド・ディ・ステファノ(1953-54シーズン)、ウーゴ・サンチェス(1985-86)、ファン・ニステルローイ(2006-07)の3人しかいない偉業達成者に、エムバペが仲間入りしようとしていることも紹介した。

 宿敵の地元メディアである『MUNDO DEPORTIVO』紙も、「レバンドフスキとの争いを展開してきたエムバペが、これまでになく得点王に近づいている」「フランス人ストライカーにとって、得点という面では素晴らしいシーズンであったことが証明されることになる」と報じているが、「チームのタイトル争いという点では良いシーズンとは言えなかった」「マドリーは3大タイトルのうち2つ(チャンピオンズリーグ、国王杯)は手にできないことがすでに明らかになっており、ラ・リーガも非常に厳しい状況になった」と付け加えることも忘れていない。

 スポーツ専門チャンネル『ESPN』も、「これはクラブの記録を更新する素晴らしい数字で、非の打ちどころがない」「彼が残した数字は素晴らしく、今季最後のクラシコでのパフォーマンスも圧巻だった。特に彼の動きと冷静なフィニッシュは、バルサの有名なハイライン守備を完璧に突いた」と称賛したが、以下のようにネガティブな記述が続いている。

「しかし、『自身の得点数は数字にすぎない。ゴールを決めるのは重要だが、タイトルを勝ち取れなければ意味がない』という本人の言葉を借りるならば、それだけでは足りない。彼はパリSGで長い間、ゴールは量産しながらも、CLを勝ち取れずに過ごし、その才能や地位に相応しい成果を求めてマドリードにやって来た。それだけに、今季39ゴール以上を記録したものの、今季は、少なくとも本人の基準では失望のシーズンと見なされるだろう」

構成●THE DIGEST編集部

【動画】エムバペがハットトリック達成! エル・クラシコ、ハイライト
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