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海外サッカー

「マチノがいないと困るんだ」独1部残留へ日本代表FWが掴んだ絶対的な信頼。町野修斗が笑顔で明かした手応え「来るときは来る。そこで取れるか取れないか」

中野吉之伴

2025.05.11

キールに所属する町野。下位に沈むチームの救世主となるか。(C) Getty Images

キールに所属する町野。下位に沈むチームの救世主となるか。(C) Getty Images

 ブンデスリーガのキールでプレーする日本代表FW町野修斗が確かな成長を見せている。

 今季クラブ史上初めてブンデスリーガ昇格を果たしたキールは、戦力的に1部の他クラブと大きな開きがあるなか、32節を終えてまだ残留の可能性を残している。町野はそんなクラブで貴重な働きをしている。11得点という数字だけではない。

【動画】町野がドッペルパックで決勝点!
 前線で体を張ってボールを収め、守備でも汗をかき、チャンスを見逃さずにゴール前へ走りこむ。町野から生まれるチャンスが非常に多い。だからこそマルセル・ラップ監督からの信頼がとても厚いのだ。町野の2ゴールの活躍で劇的な勝利を挙げたボルシアMGとの試合では、終盤、町野が足をつって倒れこむシーンがあった。どうしてもゴールが必要な状況で、動きに制限がかかるかもしれないリスクがありながら、ラップは町野を交代させようと考えなかったのだろうか?

 試合後の記者会見で地元記者からそう質問をされたラップは「いや、(交代は)考えていなかったよ」と答え、その理由を教えてくれた。

「シュウトはどんな時でもたくさん走ることができるし、歯を食いしばって戦える選手だ。他にけがをしていた選手がいたこともあったけど、シュウトを交代させようとは思わなかった。今日、素晴らしいパフォーマンスをもたらしてくれたことをとても嬉しく思うよ」

 キールはこじんまりとしたクラブならではの一体感が強みだ。家族のようにお互いを支え合う空気がある。昨季2部で戦っていたころ、町野がクラブへの思いを次のように話してくれたことがあった。

「いや本当にみんな人としていい人ばっかりで助かってます。監督やコーチとかにも恵まれている。だからこのチャンスをしっかり掴みたいです」

 試合に出られないこともあった。出場機会が減る時期だってあった。でもそうしたうまくいかない時でも、確かなサポートがあることを実感できていた。キールでアナリストを務める佐藤孝大が話していた。

「(町野への)監督からの信頼はいつもありました。点を取れてない時でも、調子を落としている時期でも、チーム内での信頼がなくなることはなかったんです」
 
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