日本人投手への食指が動いている。

　現地９月４日、米スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン氏が今オフにもメジャー挑戦する可能性のある日本人３選手を電子版で紹介した。NPBのフリーエージェント（FA）選手の現状を伝えたうえで、西武ライオンズの今井達也を有力候補にピックアップした。

　すでに今オフ、ポスティング・システムでのメジャー挑戦が濃厚な村上宗隆（ヤクルト）をはじめ、2023年のワールド・ベースボール・クラシックで注目を浴びた岡本和真（巨人）など、日本人選手を高く評価してきたパッサン氏。過去にメジャーの大型移籍情報をスッパ抜いてきた敏腕記者は「MLBにおける日本人選手の革命はとどまるところを知らない。2026年シーズンには新たな選手たちがアメリカにやってくる」と見通し、前述した２人を含め今井の名前を挙げた。

　これまで米移籍市場の間では、ほぼ無名だった今井。だがここに来て、西武のエース右腕の評価はぐんぐん上がっているようだ。

　パッサン氏は「彼の投球を観察したスカウト陣によると、最も興味深い選手のひとり」だと紹介。身長180センチ、体重80キロという華奢な体格からは想像できないピカイチな才能を持つ投手と続けた。

　自身初の開幕投手を務めた今井は昨季まで２年連続二桁勝利を達成。最多奪三振のタイトルを獲得するなど、リーグ最下位に低迷するチームの先発ローテーションをけん引。今年３月に開催された侍ジャパンの強化試合では158キロを複数回計測。シーズン開幕前で季節外れの豪球がファンの間でも話題になった。
  　今季も剛速球と切れ味鋭いスライダーを武器に三振を量産。ここまで20試合に先発し、リーグ最多の３完封（５完投）をマーク。143回2/3（リーグ３位）を投げ、９勝５敗。防御率1.50、159奪三振はともにリーグ２位と好成績。なかでも投手の安定感を示すWHIP（１イニングあたりの与四球と被安打数の合計）は驚異の「0.85」を記録。一般的に先発投手で1.20を切ればチームのエース級、1.00を下回れば球界を代表する超一流ピッチャーとされる中でズバ抜けた数字を叩き出している。

　パッサン氏は23年オフにロサンゼルス・ドジャースと契約を結んだ山本由伸の12年総額３億2500万ドル（約465億円＝当時）には及ばないとしながらも、「ある関係者は２億ドル（約296億円）以上を得る可能性がある」と示唆。先発投手の駒不足に悩むメジャー球団なら喉から手が出るほど欲しい存在として、高額契約を結ぶ可能性があると報じている。

　現在の西武で圧倒的な数字を残す今井。かねてメジャー挑戦の希望を持っており、右腕の動向に注目が集まる。

構成●THE DIGEST編集部

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