ロサンゼルス・ドジャースは現地９月９日、アレックス・ベシアのメジャー復帰に伴い、今季ブルペンで安定した働きを見せていた若手右腕ベン・カスパリウスをマイナーへ降格させる決断を下した。

　26歳のカスパリウスは今季、オープナーやミドルリリーフ、さらに接戦の終盤にも登板するなど、ブルペンのあらゆる役割を柔軟にこなしてきた。ここまで46試合に登板し、防御率4.64、77回2/3を投げて71奪三振を記録。ロングリリーフを任されるケースも多く、先発投手や他のリリーバーの負担を軽減するなど、確かな存在感を示していた。

　デーブ・ロバーツ監督はこのロースター変更について、「ベンは今年、本当に多くの貢献をしてくれた。間違いなくチームの重要な戦力だ」とその働きを称賛したうえで、「ただし、ベシアの復帰により、どうしても誰かを下げなければならない状況だった」と、やむを得ない判断だったことを強調した。続けて、「今回はベンに少しの休養とリフレッシュを挟み、一度マイナーで調整の時間を与える。特に右打者への対応力をもう一度磨いて戻ってきたときには、今以上にチームの力になってくれるはず」と、ポストシーズンを見据えた“戦略的休養”であることを明言した。 　今季、ブルペンの“潤滑油”としてフル回転してきたカスパリウスの降格は、チームにとって決して簡単な決断ではなかったようだ。だが、９月以降のシーズン終盤、そしてポストシーズンを見据える中で、選手一人ひとりのコンディションと役割を最適化していくことは、勝ち抜くために欠かせないプロセスと言える。

　また、現在のドジャースは、先発陣の好投が続いている一方で、打線の不振や継投の綻びによって接戦を落とす場面も目立っており、チーム全体として波に乗り切れていない。そんな状況だからこそ、ロースター運用や起用法の一つひとつが、残り試合の命運を大きく左右する鍵となってくる。

　今回の降格を機に、カスパリウスが一時の休息と調整を重ねて復帰できれば、チームにとって大きなプラスとなるはずだ。そして再びマウンドに立つ際には、ドジャースの勢いを加速させる“起爆剤”となれるかどうかが注目される。

構成●THE DIGEST編集部

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