☆「悔しいシーズン」

「シーズン途中の加入だったので少しバタバタした面はありました。最後の方は貢献できなかったので、自分としては悔しいシーズンでしたね」

　契約更改の場で、藤浪晋太郎は真剣な眼差しで今季を振り返った。
 
　金額については「ご想像にお任せします」と明かさなかったが、契約は無事に更改した藤浪。昨年７月にDeNAに入団。８月中旬にNPB復帰登板を果たし、5イニングを１失点でゲームメイクした。31日には７回無失点で初勝利をマークし、次登板でもQSを達成するなどチームに貢献。しかしそれ以降は結果を残せず、ポストシーズンの登板もないままシーズンを終えただけに「自分の中でも安定感を欠いたかなとは思っています」と忸怩たる胸の内を覗かせる。

　その反省点を踏まえたうえで、来季は「先発で頑張りたいと思いますと話をしたら、球団としても先発でしっかり投げて貢献してほしい」と本人と球団双方の思惑は一致し、スターター争いに加っていくと宣言。「200と言いたいところなんですけれども、現状の日本野球では厳しいと思うので、180ぐらいを目標にしていきたいです。そのくらい投げられれば他の数字も付いてくると思いますので」とローテーションを守らないと達成できないイニング数をターゲットにし、鍛錬を積んでいくと目を光らせた。

☆DeNAの分析力を最大活用

　先発として完全復活のその先を見据える右腕。「アメリカで言われてきたのは、ストライク率やファーストピッチストライク率。その辺をアメリカで学んで大切にしてますって話をDeNAでしたんですけど、アナリスト、ピッチングコーチの方々の話でも、やっぱりそこは大事だと。それをやっていれば数値が確実に良くなってくる。統計上長いスパンで見ると良くなってくるって話をしていただいたので。学んできたことをこちらでも活かせたのはよかったことかなと思います」とメジャー帰りの理論派は、DeNAとの相性の良さを感じ取る。

　それを踏まえ、「DeNAというチームの素晴らしいデータ分析やバイオメカニクスは、世界でも指折りと言えるほどのしっかりしたものがあると思っています」とDeNA自慢の最新計測機を活かしていくつもりだ。