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メジャーリーガーでなければボクサーだった? “人類最速男”チャップマンの意外な一面

宇根夏樹

2020.04.16

SNSで公開しているボクシングトレが密かな話題のチャップマン。乱闘が起きた時も心強い味方になりそう!?(C)Getty Images

SNSで公開しているボクシングトレが密かな話題のチャップマン。乱闘が起きた時も心強い味方になりそう!?(C)Getty Images

 このような状況にあっても、メジャーリーガーは開幕に備え、準備を怠っていない。また、ファンサービスという意味もあるのだろう、トレーニングの動画や写真を公開している選手も少なくない。“キューバン・ミサイル”の異名を持ち、2014年に史上最速105.1マイル(約169.1キロ)を計時してギネス記録に認定されたこともあるアロルディス・チャップマン(ニューヨーク・ヤンキース)もその一人だ。

 チャップマンのインスタグラムとツイッターには、ウェイト・トレーニングや投球練習の動画もアップされているが、何種類もあって目につくのは、ボクシングの練習風景だ。チャップマンは、サンドバッグを叩くだけでなく、トレーニング・パートナーを相手にミット打ちもしている。

 しかも、その動きはかなり本格的だ。格好も決まっていて、両手にボクシングのグローブをはめ、ボクシングシューズも履いている。グローブは白と黒、少なくとも2種類を持っているようだ。
 
 それもそのはず。チャップマンはメジャーリーガーではなく、ボクサーになっていた可能性もあった。彼の父、ホアン・アルベルト・チャップマン・ベネットは、キューバでボクシングのトレーナーをしていた。当然のように、息子にもボクシングを教えた。そして、チャップマンもボクシングに熱中した。

 けれども、チャップマンが11歳の時、母のマリア・カリダッド・デラクルーズが、試合に負けるとカッとなって我を失う息子を案じ、「気持ちがもっと落ち着くゲームがいいわ。代わりにベースボールをしてみたら」と提案したという。少し出来すぎたエピソードのような気もするし、チャップマンがベースボールを始めたのは、友達に誘われた――たまたま一塁手が足りず、チャップマンに声をかけた――からという説もある。どちらも本当かもしれないが、いずれにせよ、チャップマンの進路は変わった。
 

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