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MLB

ロッテ新助っ人・エチェバリアの実力は?本質は「メジャー通算37本塁打」ではなく、ダイナミックな守備にあり

SLUGGER編集部

2020.12.25

横っ飛びでダイナミックに打球を捕り、どんな体勢からでも正確な送球を見せる。エチェバリアの守備はまさにメジャー級だ。(C)Getty Images

横っ飛びでダイナミックに打球を捕り、どんな体勢からでも正確な送球を見せる。エチェバリアの守備はまさにメジャー級だ。(C)Getty Images

 ロッテが24日、アトランタ・ブレーブスからFAとなっていた31歳のキューバ人遊撃手、アディニー・エチェバリアを獲得したと発表した。今オフ、ロッテが獲得した最初の助っ人外国人だ。

 日本の多くの媒体では「メジャー通算37本塁打」というフレーズをもってエチェバリアを紹介しているが、この言葉では彼の”本質”が見えてこない。今回は改めて、彼の特徴を見ていこう。

 まず、エチェバリアはメジャーで9年のキャリアがあるが、2ケタ本塁打に到達したことはない。2019年に2球団に跨いで9本を記録したのが自己最高記録だ。井口資仁監督の「20ホームラン以上を期待している」とのコメントからは、マーティンの再来(メジャー最高15本塁打、今季は25本)を狙う向きが感じられるが、エチェバリアがメジャーで生き残ってきた武器は他にある。
 
 彼の最大の持ち味は、ズバリ‟守備”だ。メジャーでは遊撃の他に二塁や三塁も守り、ダイナミックなプレーと正確な送球で、何度もチームを助けてきた。ヤンキース時代の18年には、プレーオフで三塁を守っていた際に、レフト線へ抜けるかと思われた痛烈なライナーを、ジャンプ一番キャッチして見せた。とにかく打球への反応が素晴らしく、他にもセンター前やライト前に抜けるかと思われた当たりをいくつもアウトにしている。

 ダイビングキャッチで打球をさばいて、体勢を崩されながらも一塁へ送球する時でも、エチェバリアのスローイングはほとんどブレがない。多少ショートバウンドにはなるとしても、一塁手のミットにきっちり収まるような位置にしっかりと送球するのだ。マーリンズ時代にエチェバリアを指導したコーチのジョー・エスパーダは、「メジャーで最高の守備型遊撃手」と称賛を惜しまなかった。守備によってどれだけ失点を防いだかを示すDRSという指標では、15年に遊撃メジャー3位の12を記録するなど、派手なだけでなく高い確実性があることは、データでも裏付けられている。

 ロッテの遊撃はここ数年絶対的な存在がおらず、藤岡裕大や平沢大河らが、代わる代わる守っている状態だ。エチェバリアの加入は、攻守両面での大きなアップグレードになる。彼が目論み通りに活躍してくれれば、球団15年ぶりのリーグ優勝はぐっと近づくだろう。

構成●SLUGGER編集部

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