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プロ野球

三浦新監督の目指す野球とは⁉ キャンプインで見えてくる“番長野球”のアウトライン【キャンプ注目ポイント|DeNA】〈SLUGGER〉

萩原孝弘

2021.01.28

選手起用については「固執せず、柔軟な姿勢で」と、フレキシブルなスタンスでチーム作りをしていくと語った三浦監督。写真:萩原孝弘

選手起用については「固執せず、柔軟な姿勢で」と、フレキシブルなスタンスでチーム作りをしていくと語った三浦監督。写真:萩原孝弘

「球春到来」。2月1日、2021シーズンのプロ野球キャンプがスタートする。コロナ禍でまだまだ不透明なところも多いが、この時点は全球団が“横一線”、どのチームも優勝のチャンスがある。だからこそ、春季キャンプではそれぞれの「長所」と「課題」をいかに伸ばし、解決していくのかがカギを握る。各球団の“見どころ”を探っていこう!

●新監督の掲げる2つのテーマ

「得点力」と「柔軟な姿勢」。1月17日に行われた監督就任会見で、優勝を掴むために三浦大輔新監督が挙げたテーマである。

「得点力」は昨年チームは打率はリーグトップ、ホームラン数もトップタイながらも、盗塁、犠打、フォアボールは全て最下位で3位。大味な攻撃が戦前は優勝候補にあげられながらも、Bクラスに沈んだ元凶でもあった。

 今年の一軍キャンプメンバーには宮本秀明、関根大気、人的補償で獲得した田中俊太ら、俊足で小技も使えるタイプを抜擢。「如何にしてホームベースを踏むか」を熟考した結果の人選で、一発だけではない多角的な攻撃を仕掛け、得点力アップを目指す野球の確立ができるかは興味深い。

 また戦略面でも選手起用についても「あまり決めつけたり固執せず、柔軟な姿勢で」指揮を執るとし、キャンプ振り分けでも「全コーチに案を出してもらい、総合的に判断」と経緯を説明したように、早速フレキシブルなスタンスを取った。退任の際に「80%はデータ、20%はフィーリングの決断スタイルで、自分の信じるやり方でやってきた」とした、ラミレス政権との差異にも注目したい。
 
●競争を強調

 三浦監督は「高いレベルでの競争が起こってほしい」と競争原理がチームに働くことを所望。昨年不調を囲った山﨑康晃を「年が明けたからといって、ゼロからのスタートではない」とあえてファームスタートさせる厳しい姿勢を見せ、実績をリセットし「フラットな視線で見ていきたい」との理念を実践した。

 対して「昨年ファームで見ていた選手が、勝負の年に宜野湾(一軍キャンプ地)に入れてどういうものを見せてくれるか」との期待から上記の宮本、関根など、近年あまりチャンスを与えられなかった選手には光を当て、人心掌握も加味してチームの活性化を狙う。また、「(結果が)出なければ入れ替えはもちろんある」と信賞必罰の構えだ。

 キャンプでは例年よりも実戦練習が多く予定されていることもあり、選手たちには気の抜けない日々になりそうだ。

「横浜一心」を掲げる三浦ベイスターズの注目のキャンプは、もうそこまで迫っている。

取材・文●萩原孝弘
 
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