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プロ野球

20歳の奥川はK/BB、新人王の栗林は奪三振率で驚異的な数値【表彰されざる男たち:セ・リーグ投手編】<SLUGGER>

藤原彬

2021.12.18

優勝の立役者でもある奥川。高卒2年目とは思えない投球内容だった。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

優勝の立役者でもある奥川。高卒2年目とは思えない投球内容だった。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 個人タイトルの対象ではなくとも、選手の凄みが詰まった部門のベスト3を紹介する。今回はセ・リーグの投手編だ。(※率系部門は先発で100投球回以上20人、救援で50投球回以上16人を対象)

■奪三振率(奪三振×9÷投球回)
【先発】
1.柳裕也(中日) 8.79
2.大貫晋一(DeNA) 8.52
3.今永昇太(DeNA) 8.25
【救援】
1.栗林良吏(広島) 13.93
2.コルニエル(広島) 11.59
3.マクガフ(ヤクルト) 10.63

 奪三振王の柳は、昨季も80投球回以上の投手で最高の奪三振率(9.32)をマークしていた。年々投球のレパートリーを修正しながら、自己ベストの成績に結び付けた。DeNAは先発2、3位の2人がフル稼働できれば、リーグ最下位の防御率に沈んだ投手陣の大きな伸び代になれそう。広島は新人の栗林が救援最多の81奪三振を量産して、新加入の160キロ右腕コルニエルとブルペンを強固にした。日本一のヤクルトはマクガフと、昨季は救援ベストの石山泰稚も10.47を記録。

■与四球率(与四球×9÷投球回)
【先発】
1.奥川恭伸(ヤクルト)    0.86
2.福谷浩司(中日) 1.48
3.大野雄大(中日) 1.63
【救援】
1.スアレス(阪神) 1.16
2.石山泰稚(ヤクルト) 1.64
3.祖父江大輔(中日) 1.66

 登板機会は限られたが、奥川は54.1イニング無四球を記録。CSファイナルステージでも無四球完封勝利を挙げた。福谷と大野はともに全試合3四球以下で、昨季と同様に先発の2位と3位。特に前者は18先発中15試合が1四球以下と、無駄な走者を許さず。最多セーブ獲得のスアレスは、前年から与四球率3.27→1.16で付け入る隙がほとんどなくなった。昨季に続いて救援2位の石山も2.22→1.64まで改善。祖父江は1位陥落も1台をキープした。
■K/BB(奪三振÷与四球)
【先発】
1.奥川恭伸(ヤクルト)    9.10
2.大野雄大(中日) 4.54
3.福谷浩司(中日) 4.29

【救援】
1.スアレス(阪神) 7.25
2.石山泰稚(ヤクルト) 6.40
3.中川皓太(中日) 4.90

 年齢離れした完成度が自慢の奥川は、投球の総合度を測るK/BBでもずば抜けた数値を記録した。大野は昨季(6.43)から数字はダウンも、先発としては十分にハイレベルで先発2位の座を守った。一方、最多勝争いに加わった髙橋優貴(巨人)は奪三振率(4.86)も与四球率(3.90)も平凡で、K/BB1.25は先発ワーストだった。不振で抑えの座を奪われた石山だが、K/BBは前年(5.27)よりも良かった。

■QS率(QS÷先発数)
1.大瀬良大地(広島) 87.0%
2.森下暢仁(広島) 79.2%
3.柳裕也(中日) 76.9%

 先発で6イニング以上を投げて自責点3以内の回数を表すQSの割合で、広島勢がワンツー。大瀬良は序盤に戦線離脱も、柳と並ぶリーグ最多タイの20QSを記録した。森下はリーグ2位の19QSながら8勝とツキがなく、特に東京五輪後の後半戦は調子を崩して2勝のみ。柳は昨季(53.3%)から大きく上昇させたが、チームメイトの福谷浩司はリーグワーストの38.9%に沈んだ。
 

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