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プロ野球

得点圏打率.378に盗塁成功率90%以上...惜しくもMVPを逃した近本の貢献度の高さが光る【リーグ1位の男たち:セ・リーグ野手編】<SLUGGER>

藤原彬

2023.11.29

MVP投票では2位に終わった近本だが、その活躍は見事なものだった。写真:THE DIGEST写真部

MVP投票では2位に終わった近本だが、その活躍は見事なものだった。写真:THE DIGEST写真部

 個人タイトルの対象ではなくとも、プロの凄みが詰まった今季の部門ベスト3を紹介する。今回はセ・リーグの野手編だ。(※率系部門は規定打席到達者27人が対象)

OPSは独走&得点圏打率も1位――FA移籍1年目で期待に応えた近藤健介【表彰されざる男たち:パ・リーグ野手編】<SLUGGER>

■OPS(出塁率+長打率)
1.岡本和真(巨人) .958
2.宮﨑敏郎(DeNA) .934
3.坂本勇人(巨人) .884

 本塁打王レース独走で3度目の戴冠となった岡本は、長打率(.584)と総合的な打力を測るOPS(.958)で初めてリーグトップに立った。6年ぶりに首位打者獲得の宮﨑は、打率(.326)に加えて出塁率(.395)と長打率(.539)も自己ベストを記録した。宮崎同様に坂本も、衰えが隠せなくなっている選手が多い「1988年世代」にあって見事な打棒を発揮した。

■四球率(四球÷打席)
1.大山悠輔(阪神) 15.8%
2.村上宗隆(ヤクルト) 15.1%
3.岡本和真(巨人) 12.2%

 リーグ最多の99四球を選んだ大山が、全打席に占める割合でも最高値を記録。全試合で4番を務めただけではなく、四球増で得点力向上に成功した打線の象徴になった。その両方で、過去3年続けて1位だった村上は2位へ陥落。ワーストは大島洋平(中日)の3.0%で、3割近い打率をキープしながら出塁率.316は自己ワースト級の数字に終わった。

■三振率(三振÷打席)
1.大島洋平(中日) 8.7%
2.宮﨑敏郎(DeNA) 9.3%
3.関根大気(DeNA) 10.0%

 大島の8.7%は自己ベストで、四球獲得能力は落ちてもコンタクト能力は健在を示した。首位打者獲得の宮﨑は昨季の1位から順位を落としたが、2017年以降は毎年2位以内の安定感を誇る。DeNAは関根に続き桑原将志の11.3%が4位で、打線全体の15.9%はリーグ内で最も優秀。村上宗隆(ヤクルト)の168三振と28.1%がワーストで、一軍定着時の粗さがぶり返した。
■BB/K(四球÷三振)
1.宮﨑敏郎(DeNA) 0.95
2.近本光司(阪神) 0.94
3.大山悠輔(阪神) 0.83

 1位の宮﨑と2位の近本は四球と三振の比率こそほぼ同じだが、それぞれの数は浅いカウントからでも積極的に打つ前者(41/43)と、深いカウントまで持ち込むことが多い後者(71/67)で大きな違い。規定打席未到達者ではヤクルトの青木宣親が1.39、川端慎吾も0.90と、ベテランの巧打者2人がランク入り水準の優れた打撃アプローチを披露した。

■得点圏打率
1.近本光司(阪神) .374
2.宮﨑敏郎(DeNA) .366
3.牧秀悟(DeNA) .354

 1位の近本は得点圏での打率上昇値.089も最高値で、下位からの好機演出を生かした。牧は得点圏でのOPS1.042がリーグベストで、自身初の打撃タイトルである打点王を獲得。シーズン全体では苦しんだ村上宗隆(ヤクルト)だが、得点圏ではリーグ最多の11本塁打と意地を見せた。期待の和製大砲として台頭した石川昂弥(中日)は、得点圏打率.184がワースト。
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