10年７億ドルというスポーツ史上最高額契約で大谷翔平の獲得に成功したドジャース。だが、そもそもチーム最大の弱点である先発投手陣の補強はまだ手付かずのまま。大谷が市場から消えたことにより、ストーブリーグ戦線が一向に動きだしそうな気配を見せる中、ドジャースも今後さらに積極的に動くことが予想される。現時点で有力候補に挙げられている候補は以下の３人だ。

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▼コービン・バーンズ（ブルワーズ）
2023成績：10勝８敗　防御率3.39　投球回193.2　奪三振200

21年にサイ・ヤング賞を獲得し、22年は最多奪三振。今季もWHIP1.07でリーグ１位を記録したMLB屈指の好投手。ここ２年で計395.2回を投げ抜くなど、耐久性も素晴らしい。来季限りでＦＡになることから、以前からトレードの噂が出ており、このオフも移籍市場の目玉として注目を集めている。22年に31本塁打を放った強打の遊撃手ウィリー・アダメスとセットでのドジャースへのトレード移籍を予想する声もあり、それが現実になればドジャースは一気に弱点を２つ解消することになる。

▼タイラー・グラスノー（レイズ）
2023成績：10勝７敗　防御率3.53　投球回120.0　奪三振162

好調時の爆発力にかけては他の誰にも引けを取らない豪腕。特にカーブの威力は球界No.1と言ってもいいほどで、今季の奪三振率12.15は、スペンサー・ストライダー（ブレーブス）に次いで120投球回以上の投手ではMLB２位を誇る。とにかく怪我が多く、20先発以上をこなしたのも今季が初めてと耐久性には問題を抱えるが、トレード市場ではドジャース以外にもブレーブス、エンジェルスなどが興味を示すなどかなりの人気銘柄となっている。 ▼ディラン・シース（ホワイトソックス）
2023成績：７勝９敗　防御率4.58　投球回177.0　奪三振214

伝家の宝刀スライダーで三振を奪いまくるドクターＫ。21年にア・リーグ１位の奪三振率12.28を記録すると、22年はサイ・ヤング賞投票２位と大ブレイク。今季は一転して不振に苦しんだが、それでも奪三振率10.88はリーグ２位と、球威自体は衰えはない。３年連続32先発以上をこなすなど耐久性にも優れている。ＦＡまであと２年残っていることから、トレードバリューはバーンズ、グラスノーよりも高い。ドジャース以外にもレッズ、ブレーブス、オリオールズ、カーディナルスなどが獲得候補に挙げられている。ホワイトソックスは山本由伸の所属先が決まってから交渉に本腰を入れるのではとの憶測も。

▼山本由伸（オリックス）
2023成績：16勝６敗　防御率1.21　投球回164.0　奪三振169（NPB）

３年連続投手四冠という偉業を引っ提げてメジャー入りを目指し、名だたる好投手を抑えて今オフの移籍市場で投手最大の評価を受けている天才右腕。当初は２億ドル以上と予想されていた契約総額は、今では「３億ドル以上も視野」と報道されるなど、ここへ来て市場での評価はさらに上昇している模様。ヤンキース、メッツのニューヨーク２球団が先行しているとの報道もあったが、レッドソックスやカブス、ドジャース、ジャイアンツも争奪戦に加わっており、まだ予断は許さない。ポスティングなので、トレードのようにトップ・プロスペクトを差し出す必要も、ＦＡのようにドラフト指名権を譲渡する必要もない。この点は、ドジャースのような資金力豊富なチームにとっては大きなプラスポイントだ。

アンドリュー・フリードマン編成総責任者はこの４人のうち最低１人、あわ良くば２人獲得しようと考えているかもしれない。最大のターゲット獲得に成功したドジャースだが、これからがストーブリーグの“本番”とも言える。

構成●SLUGGER編集部

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