専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

英プレミアリーグ・リバプール専門メディアが大谷翔平に異例の注目!「オオタニの人気は野球を超えた」ドジャースの共同所有者はチェルシーのボーリー氏

THE DIGEST編集部

2023.12.16

10年7億ドルでドジャースと契約した大谷。その話題は英国でも取り上げられている。(C)Getty Images

10年7億ドルでドジャースと契約した大谷。その話題は英国でも取り上げられている。(C)Getty Images

 大谷翔平を巡る歴史的争奪戦と、ロサンゼルス・ドジャースとかわした10年7億ドルの契約は、英国でも大きな注目を集めたようだ。イングランド・プレアミアリーグの強豪リバプールのニュースを扱う専門メディア『Liverpool.com』は12月15日、大谷に関する記事を配信。「英国ではショウヘイ・オオタニの名前が最近まであまり知られていなかった。しかし、この29歳の日本人野球選手は、ドジャースと史上最大の契約を結んだ」と驚きをもって報じた。

【PHOTO】10年総額約1,015億円でドジャースに移籍!ユニホームを身に纏い入団会見を行った大谷翔平の厳選ショット!

「販売開始から48時間のユニホームの売り上げが、リオネル・メッシ(インテル・マイアミ)やクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)を上回った。米国スポーツやマンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリーなど欧州サッカークラブのライセンスグッズを販売する『Fanatics』社が発表した」とも伝えている。

 同メディアは大谷がMVPを二度受賞したことや過去の成績、米国での人気ぶりなどを踏まえて「オオタニの人気は野球を超えている」と表現。そしてドジャースと結んだ史上最大の契約に触れて、「10年7億ドルという驚くべき契約だが、毎年のように年間200万ドルしか受け取らず、残りは契約満了後に10年かけて受け取る。この分配によってチームへの影響(ぜいたく税)を制限した」と、その契約内容を報じた。

 それではなぜ、サッカーのリバプール専門メディアが大谷を取り上げたのか。同メディアはまず、「ドジャースの共同所有者トッド・ボーリー氏はチェルシーのオーナー代表だ」と紹介。「ボーリー氏は『Clearlake Capital』とともに2022年に32億ドルでチェルシーを買収(オーナー組織の現名称は『BlueCo』)。それ以降、移籍市場に13億ドル以上をつぎ込んで、しかも異例とも言える長期間契約で選手を獲得してきた」と、ドジャースとチェルシーの経営陣に名を連ねるボーリー氏と、その契約スタンスを説明した。

 そして、ボーリー氏のドジャースは今オフに争奪戦を制して大谷を獲得。その争奪戦にはリバプールのオーナー『Fenway Sports Group(FSG)』が所有するMLBのボストン・レッドソックスも加わっていたことに触れた。さらに、「ボーリー氏とFSGの“対戦”はこれが初めてではない」と、ドジャースとレッドソックスが関係する過去の事例を挙げていった。
 
「2020年にはスター選手のムーキー・ベッツを契約更改後に、ぜいたく税回避のためドジャースにトレードで放出(ドジャースからは前田健太がツインズに、ツインズから2選手がレッドソックスに移籍)。今オフもオオタニを狙っていたが、給与据え置き契約はリスクが大きすぎると判断してレッドソックスは手を引いた」と伝えている。

 移籍市場におけるボーリー氏とFSGの戦いはサッカー界でも見られた。23年の夏、チェルシーは英国最高額を更新する1億1500万ポンドでモイセス・カイセド(前ブライトン)を獲得。続けてロメオ・ラビア(前サウサンプトン)を5800万ポンドで獲得した。特筆するのは、それぞれの前所属クラブがリバプールと移籍合意に達していた点だ。しかし2人はクラブ間合意を袖にして、チェルシーに新天地を求めている(その後リバプールは遠藤航を獲得)。

 大谷がドジャースと10年契約を結んだように、チェルシーはカイセドと8年契約、ラビアとは7年と長期契約を結んだ。22年の夏にもウェスレイ・フォファナ(前レスター)と6年、23年1月にはエンソ・フェルナンデス(前ベンフィカ)、ミハイロ・ムドリク(前シャフタール)とそれぞれ8年半の契約を締結。契約期間を延ばすことで減価償却費の負担を分散していた。しかし12月13日、プレミアリーグは減価償却の分割期間を最大5年間に制限。ボーリー氏の長期契約の手法は封じられてしまった。

 一方のMLBでは年間当たりのチーム総年俸が一定基準を超えた場合、ぜいたく税として課徴金などのペナルティーが科されるため、どの球団も総年俸をぜいたく税の基準内に抑えてチームを作る。契約期間が長ければ長いほど、1年あたりの計算上の年俸は低く抑えられるため、大谷の年俸200万ドル(ぜいたく税は4600万ドルで計算される)という金額は、チームを作るうえで大きなアドバンテージとなる。大谷が結んだ10年という契約期間や繰り延べする金額について、MLBのルール上は問題ない。

 同メディアは、「少なくともボーリー氏のチェルシーは補強面ではFSGを上回ったが、しかしピッチ上の成績はFSGが上回っている」として、プレミアリーグ首位のリバプールと12位に沈むチェルシーの順位(16節終了現在)を記載。競技や取り巻く環境などは違うものの、大谷とドジャースとチェルシー、FSGとリバプールという関係を通じて、「積極的な支出と長期契約は、必ずしも成功につながるとは限らない」とまとめている。

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】“ケチで無能”と揶揄されるエンジェルスオーナー、大谷翔平陣営からの提案を拒否していた!「ファンからの批判がさらに強くなる可能性が」とエ軍メディア

【関連記事】大谷翔平の愛犬『デコピン』は「一緒に暮らしている唯一の友達」。ドジャース入団会見”不在理由”に地元メディア爆笑!

【関連記事】「大谷翔平の良き理解者」地元放送局が水原一平通訳の加入を「LA史上最大の獲得」と熱烈歓迎! 球団HPに早くも名前が追加!

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号