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MLB

“究極の選択”――大谷とジャッジはどちらが優れているのか? MLBの球団幹部、スカウトが下した答えとは...【後編】<SLUGGER>

マーク・ファインサンド

2025.06.03

5月30日~6月1日に行われた“直接対決”でも両雄はホームランを放ってファンを喜ばせた。(C)Getty Images

5月30日~6月1日に行われた“直接対決”でも両雄はホームランを放ってファンを喜ばせた。(C)Getty Images

【前編から続く】
 今シーズン序盤のジャッジの大爆発を受け、MLB.comのマイク・ペトリエロは、昨年4月下旬からの365日間にわたる彼の打棒を「隠れた歴史的1年」と表現した。ペトリエロによれば、ジャッジがその間に記録したfWAR13.7は1923年のベーブ・ルースに次いで歴代2位に位置するのだという。

【動画】前年のMVPが初回に圧巻の競演! ジャッジ&大谷がワールドシリーズの再戦でホームランを放つ

 通常のシーズンでも、ジャッジはすでにOPS+200以上のシーズンが2度あり、22年の210は歴代6位タイ、昨季の225は堂々の1位に位置する(1900年以降)。

 また、OPS+200以上を複数回達成した選手は左打者を含めても他に7人――ルース、バリー・ボンズ、テッド・ウィリアムズ、ロジャース・ホーンスビー、ミッキー・マントル、ルー・ゲーリッグ、そしてタイ・カッブしかいない。

 もし今季、ジャッジが3度目のOPS+200を記録すれば、ルース、ボンズ、ウィリアムズ、ホーンスビーに次いで歴代5人目の快挙となる。

 また、ペトリエロが指摘したように、ハンク・アーロンやアレックス・ロドリゲス、ジョー・ディマジオ、アルバート・プーホルスといった伝説のスラッガーたちはキャリアで一度もOPS+200を記録していない。大谷も然りで、キャリアハイは昨季の189。180を超えたのも2度しかない。

「ジャッジの打棒は、長い間誰も目にしたことのない域に達している。しかも、自分をプロテクトできる選手が他にいない状況でやってのけているのだからすごい」とあるア・リーグ球団のスカウトは語る。「去年、ジャッジはソトをプロテクトしていた。では、ジャッジをプロテクトしていた打者はいたかい? 誰もいない」
 スカウトの主張は数字でも裏づけられている。昨季、ヤンキースの4番打者は全体でOPS.645、OPS+76という成績にとどまった。

●「大谷が二刀流としてもたらす価値は計り知れない」

 大谷が長くマウンドから遠ざかっていることを理由に、ジャッジを球界最高の選手に推すスカウトや球団幹部は少なくない。だが、ひとたびドジャースのローテーションに復帰した瞬間、彼が球界最高の選手の座を取り返すことになるだろう、と大半の関係者は考えている。

「仮に大谷がもう投げられないのだとしたら、私はジャッジを選ぶ」と某ナ・リーグ球団の幹部は言う。「だが、彼がシーズン終盤にでも復帰して好投できるなら、ジャッジとは比較にならない。大谷が二刀流選手としてもたらす価値はそれほど計り知れないものなんだ」

 過去3度のMVPとは異なり、この主張は球団幹部やスカウトから満場一致の賛同を得たわけではない。それでも、あるナ・リーグ西地区球団のスカウトは、投手としてマウンドに立っているかどうかにかかわらず、大谷をトップに選んだ。
 
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