ドジャースの2025年シーズンが幕を閉じた時、今日(現地6月10日)のパドレス戦はどのように位置づけられるだろうか。
前日の第1戦を延長の末に6対5で勝利したドジャースは、地区ライバルとの3連戦第2戦をブルペンゲームにすることを選択した。オープナーのルー・トリビーノが初回を無失点で切り抜けると、デーブ・ロバーツ監督は2番手として、3Aから昇格したばかりのマット・サウアーをマウンドに送り込んだ。
このサウアーにパドレス打線が襲いかかった。2回こそ二塁打を浴びながらなんとか無失点で切り抜けたものの、3回は2番のルイス・アライズ、マニー・マチャド、ジャクソン・メリルの3連打で3点、4回と5回も集中打を浴びせて1点ずつを失ってしまう。
5回裏を終えた時点で、サウアーはすでに被安打9本。普通ならこの時点で交代となるはずだが、ロバーツ監督は引き続き26歳の右腕をマウンドに残した。6回は先頭のマーティン・マルドナードに一発を浴びるなどまだ集中打を浴びて4失点。ようやくロバーツ監督が重い腰を上げて投手交代を告げた時、サウアーは実に111球を投じていた。
4.2回を投げて被安打13本、3与四球で9失点。言葉は悪いが、限りなく“晒し投げ”に近い状態だった。
だが、裏を返せば、そうすることでサウアーはチームに貢献したとも言える。
周知のように、ドジャースの投手陣は現在、事実に14人がIL入り。台所事情は非常に苦しい。さらに、チームは5月23日からの31日間で29試合という過密日程の真っ只中で、しかも相手はヤンキースやメッツ、パドレスなどコンテンダーばかり。明日の第3戦を終えて1日休んだ後、再びジャイアンツ、パドレスと強豪との対戦が続く。 おそらく、ロバーツ監督は0対4となった時点でブルペンを休ませることを最優先し、サウアーに行けるところまで行ってもらおうと決断したのだろう。結果的にサウアーの後を継いだユーティリティのキケ・ヘルナンデスが8回まで投げ切ったことで、ブルペンの主戦組をほぼ全員休ませることができた。
思えば、昨季もポストシーズン中に似たようなことがあった。
メッツとのリーグ優勝決定シリーズ第5戦、2対8と大量リードされた4回から登板したブレント・ハニーウェルJr.が4点を失いながらも4.2イニングを投げ抜き、疲労困憊のブルペンを救った。第6戦に勝ってワールドシリーズ進出を決めた時、マックス・マンシーら複数の主力選手が「影のMVPだ」とハニーウェルJr.を称えたことを覚えているファンは少なくないだろう。
おそらくサウアーは明日、3Aに降格することになるだろう(DFAとなる可能性もゼロではない)。だが、結果はともかくとして、ロバーツ監督は彼の“献身”に一定の評価を与えるはずだ。サウアーの“晒し投げ”が何らかの形で報われることを、そして彼が再びチャンスを手にしてメジャーのマウンドに戻ってくることを――。
構成●SLUGGER編集部
【記事】“究極の選択”――大谷とジャッジはどちらが優れているのか? MLBの球団幹部、スカウトが下した答えとは...【前編】<SLUGGER>
【記事】“究極の選択”――大谷とジャッジはどちらが優れているのか? MLBの球団幹部、スカウトが下した答えとは...【後編】<SLUGGER>
前日の第1戦を延長の末に6対5で勝利したドジャースは、地区ライバルとの3連戦第2戦をブルペンゲームにすることを選択した。オープナーのルー・トリビーノが初回を無失点で切り抜けると、デーブ・ロバーツ監督は2番手として、3Aから昇格したばかりのマット・サウアーをマウンドに送り込んだ。
このサウアーにパドレス打線が襲いかかった。2回こそ二塁打を浴びながらなんとか無失点で切り抜けたものの、3回は2番のルイス・アライズ、マニー・マチャド、ジャクソン・メリルの3連打で3点、4回と5回も集中打を浴びせて1点ずつを失ってしまう。
5回裏を終えた時点で、サウアーはすでに被安打9本。普通ならこの時点で交代となるはずだが、ロバーツ監督は引き続き26歳の右腕をマウンドに残した。6回は先頭のマーティン・マルドナードに一発を浴びるなどまだ集中打を浴びて4失点。ようやくロバーツ監督が重い腰を上げて投手交代を告げた時、サウアーは実に111球を投じていた。
4.2回を投げて被安打13本、3与四球で9失点。言葉は悪いが、限りなく“晒し投げ”に近い状態だった。
だが、裏を返せば、そうすることでサウアーはチームに貢献したとも言える。
周知のように、ドジャースの投手陣は現在、事実に14人がIL入り。台所事情は非常に苦しい。さらに、チームは5月23日からの31日間で29試合という過密日程の真っ只中で、しかも相手はヤンキースやメッツ、パドレスなどコンテンダーばかり。明日の第3戦を終えて1日休んだ後、再びジャイアンツ、パドレスと強豪との対戦が続く。 おそらく、ロバーツ監督は0対4となった時点でブルペンを休ませることを最優先し、サウアーに行けるところまで行ってもらおうと決断したのだろう。結果的にサウアーの後を継いだユーティリティのキケ・ヘルナンデスが8回まで投げ切ったことで、ブルペンの主戦組をほぼ全員休ませることができた。
思えば、昨季もポストシーズン中に似たようなことがあった。
メッツとのリーグ優勝決定シリーズ第5戦、2対8と大量リードされた4回から登板したブレント・ハニーウェルJr.が4点を失いながらも4.2イニングを投げ抜き、疲労困憊のブルペンを救った。第6戦に勝ってワールドシリーズ進出を決めた時、マックス・マンシーら複数の主力選手が「影のMVPだ」とハニーウェルJr.を称えたことを覚えているファンは少なくないだろう。
おそらくサウアーは明日、3Aに降格することになるだろう(DFAとなる可能性もゼロではない)。だが、結果はともかくとして、ロバーツ監督は彼の“献身”に一定の評価を与えるはずだ。サウアーの“晒し投げ”が何らかの形で報われることを、そして彼が再びチャンスを手にしてメジャーのマウンドに戻ってくることを――。
構成●SLUGGER編集部
【記事】“究極の選択”――大谷とジャッジはどちらが優れているのか? MLBの球団幹部、スカウトが下した答えとは...【前編】<SLUGGER>
【記事】“究極の選択”――大谷とジャッジはどちらが優れているのか? MLBの球団幹部、スカウトが下した答えとは...【後編】<SLUGGER>
関連記事
- 「聖地巡礼せねば!」大谷翔平らの“特製マンホール”に日米ファン沸騰! 日本人メジャーリーガー12人のゆかりの地に設置
- ドジャースが26歳右腕を“酷使”。111球9失点の大炎上も異例の続投...地元記者は驚きと苦言「尻拭いをする羽目になった」
- 「これで故障しても正直驚かない」ド軍の右腕サウアー、111球の“酷使”で9失点。敵地記者もロバーツ監督の起用法に警鐘「常識的に考えても明らかに無謀だ」
- 大谷翔平、オールスター前に“投手復帰”か? 3イニング、44球の内容が示す復調ぶりにド軍指揮官「ゼロではない」
- 菅野智之が「カブスの理想のターゲット」米メディアがトレード移籍に太鼓判「うってつけの投手」「安定感をもたらす存在」