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13安打9失点と大炎上しながら110球を投げ抜いたサウアー。彼の“晒し投げ”がドジャースのブルペン陣を救う?<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2025.06.11

今季からドジャースに加わったサウアー。今日の登板までは防御率3.05と健闘していた。(C)Getty Images

今季からドジャースに加わったサウアー。今日の登板までは防御率3.05と健闘していた。(C)Getty Images

 ドジャースの2025年シーズンが幕を閉じた時、今日(現地6月10日)のパドレス戦はどのように位置づけられるだろうか。

 前日の第1戦を延長の末に6対5で勝利したドジャースは、地区ライバルとの3連戦第2戦をブルペンゲームにすることを選択した。オープナーのルー・トリビーノが初回を無失点で切り抜けると、デーブ・ロバーツ監督は2番手として、3Aから昇格したばかりのマット・サウアーをマウンドに送り込んだ。

 このサウアーにパドレス打線が襲いかかった。2回こそ二塁打を浴びながらなんとか無失点で切り抜けたものの、3回は2番のルイス・アライズ、マニー・マチャド、ジャクソン・メリルの3連打で3点、4回と5回も集中打を浴びせて1点ずつを失ってしまう。

 5回裏を終えた時点で、サウアーはすでに被安打9本。普通ならこの時点で交代となるはずだが、ロバーツ監督は引き続き26歳の右腕をマウンドに残した。6回は先頭のマーティン・マルドナードに一発を浴びるなどまだ集中打を浴びて4失点。ようやくロバーツ監督が重い腰を上げて投手交代を告げた時、サウアーは実に111球を投じていた。

 4.2回を投げて被安打13本、3与四球で9失点。言葉は悪いが、限りなく“晒し投げ”に近い状態だった。

 だが、裏を返せば、そうすることでサウアーはチームに貢献したとも言える。

 周知のように、ドジャースの投手陣は現在、事実に14人がIL入り。台所事情は非常に苦しい。さらに、チームは5月23日からの31日間で29試合という過密日程の真っ只中で、しかも相手はヤンキースやメッツ、パドレスなどコンテンダーばかり。明日の第3戦を終えて1日休んだ後、再びジャイアンツ、パドレスと強豪との対戦が続く。
 おそらく、ロバーツ監督は0対4となった時点でブルペンを休ませることを最優先し、サウアーに行けるところまで行ってもらおうと決断したのだろう。結果的にサウアーの後を継いだユーティリティのキケ・ヘルナンデスが8回まで投げ切ったことで、ブルペンの主戦組をほぼ全員休ませることができた。

 思えば、昨季もポストシーズン中に似たようなことがあった。

 メッツとのリーグ優勝決定シリーズ第5戦、2対8と大量リードされた4回から登板したブレント・ハニーウェルJr.が4点を失いながらも4.2イニングを投げ抜き、疲労困憊のブルペンを救った。第6戦に勝ってワールドシリーズ進出を決めた時、マックス・マンシーら複数の主力選手が「影のMVPだ」とハニーウェルJr.を称えたことを覚えているファンは少なくないだろう。

 おそらくサウアーは明日、3Aに降格することになるだろう(DFAとなる可能性もゼロではない)。だが、結果はともかくとして、ロバーツ監督は彼の“献身”に一定の評価を与えるはずだ。サウアーの“晒し投げ”が何らかの形で報われることを、そして彼が再びチャンスを手にしてメジャーのマウンドに戻ってくることを――。

構成●SLUGGER編集部

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