衝撃的なトレードのニュースが飛び込んできた。
【動画】さらばボストン! デバース、グリーンモンスター越えの15号本塁打が最後の置き土産に
6月15日(現地)、レッドソックスが1対4の大型トレードで主砲のラフェル・デバースをジャイアンツへ放出したと複数の現地メディアが報じた。
デバースはこれまでオールスター選出3度、シルバースラッガー2度を誇る左のスラッガーで、レッドソックスの顔と言ってもいい選手。2023年1月には10年3億1350万ドルの大型長期契約を結び、今季もここまで15本塁打、OPS.905の好成績を残していた。
レッドソックスは15日終了時点で37勝36敗。ここ10試合は8勝2敗、ちょうど宿敵ヤンキースをスウィープで下した(15日の試合は他ならぬデバースが本塁打を打った)直後で、まだプレーオフ進出をあきらめるような状況ではない。それだけに、突然の主砲放出の一報にファンは困惑を隠せない状態だ。
では、なぜこのタイミングでレッドソックスはデバースをトレードに出したのか。
おそらく最大の要因は、球団とデバースとの関係が修復不可能な状態に悪化してしまったからだろう。
レッドソックスは昨オフ、デバースと同じ三塁手のアレックス・ブレグマンをFAで補強した。一時はブレグマンを二塁で起用する案も浮上していたが、球団は最終的にブレグマンを正三塁手とし、デバースをDHに回すことを決断した。
大いにプライドを傷つけられたデバースだが、一応はDH転向を受け入れた。ところが、5月上旬に正一塁手のトリストン・カサスが残りシーズンの故障を負ってしまう。ここで球団は、「DH以外では起用しない」との前言を翻してデバースに一塁転向を打診した。ところが、すでにフロントへの不信感を募らせていたデバースはこれを拒否。「GMの決断には理解できないものもある」と編成トップのクレイグ・ブレズロウCBOを公然と批判した。
これを受け、オーナーのジョン・ヘンリーがわざわざ遠征先のカンザスシティまで出向いてデバースと会談。何とか矛を収めて、その後もDHとして出場を続けていた。本来、この一連の騒動は場当たり的な球団の姿勢が最大の問題なのだが、一部のメディアやファンはデバースの「身勝手さ」を批判した。
ポジション問題とはまた別の要因もある。野手陣の「人員過剰」だ。
レッドソックスでは今季、クリスチャン・キャンベル、マーセロ・マイヤー、ローマン・アンソニーと球界全体でも屈指のトップ・プロスペクトが3人もメジャーデビューを果たした。彼らに出場機会を与えるためにも、ポジションを空ける必要があったのだ。球団との火種を抱え、残り8年間も大型契約を残すデバースを放出することで新世代のチームへの移行を図るという、「ウルトラC」のトレードだった、とも言える。
交換要員として獲得した4人のうち、ジョーダン・ヒックス以外の3人(カイル・ハリソン、ジェームズ・ティブス、ホゼ・ベイオ)は若手選手。特にハリソンはジャイアンツの将来のエースと未来を嘱望されていた先発左腕、外野手のティブスは昨年のドラフト全体13位でプロ入りしたばかりのスラッガーで、レッドソックスのファーム組織はさらに層が厚くなった。
だが一方で、デバース放出によって今季のプレーオフ進出の可能性が低くなってしまったことは明らか。しかもそれが、フロントの不手際から発生したことを思えば、ファンとすれば忸怩たる思いは拭えないだろう。
15日の試合で、ヤンキースの先発左腕マックス・フリードからグリーンモンスター越えの本塁打を放ったデバース。大のヤンキースキラーとして知られ、左打席から逆方向にパワーを発揮する彼ならではの一発(ちょうどメジャー通算500本目の長打だった)が、レッドソックスファンへの置き土産となった。
構成●SLUGGER編集部
【記事】「GMが何を考えているのか分からない」主砲デバースが一塁転向を拒否! レッドソックスに再び内紛の危機<SLUGGER>
【記事】「ヤンキースに入るくらいなら引退する!」過激発言と父親の“経歴詐称”が話題のレッドソックス新人右腕が宿敵相手に2連勝<SLUGGER>
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6月15日(現地)、レッドソックスが1対4の大型トレードで主砲のラフェル・デバースをジャイアンツへ放出したと複数の現地メディアが報じた。
デバースはこれまでオールスター選出3度、シルバースラッガー2度を誇る左のスラッガーで、レッドソックスの顔と言ってもいい選手。2023年1月には10年3億1350万ドルの大型長期契約を結び、今季もここまで15本塁打、OPS.905の好成績を残していた。
レッドソックスは15日終了時点で37勝36敗。ここ10試合は8勝2敗、ちょうど宿敵ヤンキースをスウィープで下した(15日の試合は他ならぬデバースが本塁打を打った)直後で、まだプレーオフ進出をあきらめるような状況ではない。それだけに、突然の主砲放出の一報にファンは困惑を隠せない状態だ。
では、なぜこのタイミングでレッドソックスはデバースをトレードに出したのか。
おそらく最大の要因は、球団とデバースとの関係が修復不可能な状態に悪化してしまったからだろう。
レッドソックスは昨オフ、デバースと同じ三塁手のアレックス・ブレグマンをFAで補強した。一時はブレグマンを二塁で起用する案も浮上していたが、球団は最終的にブレグマンを正三塁手とし、デバースをDHに回すことを決断した。
大いにプライドを傷つけられたデバースだが、一応はDH転向を受け入れた。ところが、5月上旬に正一塁手のトリストン・カサスが残りシーズンの故障を負ってしまう。ここで球団は、「DH以外では起用しない」との前言を翻してデバースに一塁転向を打診した。ところが、すでにフロントへの不信感を募らせていたデバースはこれを拒否。「GMの決断には理解できないものもある」と編成トップのクレイグ・ブレズロウCBOを公然と批判した。
これを受け、オーナーのジョン・ヘンリーがわざわざ遠征先のカンザスシティまで出向いてデバースと会談。何とか矛を収めて、その後もDHとして出場を続けていた。本来、この一連の騒動は場当たり的な球団の姿勢が最大の問題なのだが、一部のメディアやファンはデバースの「身勝手さ」を批判した。
ポジション問題とはまた別の要因もある。野手陣の「人員過剰」だ。
レッドソックスでは今季、クリスチャン・キャンベル、マーセロ・マイヤー、ローマン・アンソニーと球界全体でも屈指のトップ・プロスペクトが3人もメジャーデビューを果たした。彼らに出場機会を与えるためにも、ポジションを空ける必要があったのだ。球団との火種を抱え、残り8年間も大型契約を残すデバースを放出することで新世代のチームへの移行を図るという、「ウルトラC」のトレードだった、とも言える。
交換要員として獲得した4人のうち、ジョーダン・ヒックス以外の3人(カイル・ハリソン、ジェームズ・ティブス、ホゼ・ベイオ)は若手選手。特にハリソンはジャイアンツの将来のエースと未来を嘱望されていた先発左腕、外野手のティブスは昨年のドラフト全体13位でプロ入りしたばかりのスラッガーで、レッドソックスのファーム組織はさらに層が厚くなった。
だが一方で、デバース放出によって今季のプレーオフ進出の可能性が低くなってしまったことは明らか。しかもそれが、フロントの不手際から発生したことを思えば、ファンとすれば忸怩たる思いは拭えないだろう。
15日の試合で、ヤンキースの先発左腕マックス・フリードからグリーンモンスター越えの本塁打を放ったデバース。大のヤンキースキラーとして知られ、左打席から逆方向にパワーを発揮する彼ならではの一発(ちょうどメジャー通算500本目の長打だった)が、レッドソックスファンへの置き土産となった。
構成●SLUGGER編集部
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