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「GMが何を考えているのか分からない」主砲デバースが一塁転向を拒否! レッドソックスに再び内紛の危機<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2025.05.09

今季から三塁からDHに転向したばかりのデバース。一塁を守るつもりはないと明言した。(C)Getty Images

今季から三塁からDHに転向したばかりのデバース。一塁を守るつもりはないと明言した。(C)Getty Images

 ア・リーグ東地区で宿敵ヤンキースを追う2位のレッドソックスで、またも内紛の危機が訪れている。

【動画】GMへの怒りの一発!? デバースがグリーンモンスター越えの今季6号アーチ

 事の発端は5月2日(現地)の試合で正一塁手のトリストン・カサスがシーズン絶望の重傷を負ったこと。その穴埋め候補として浮上した主砲のラファエル・デバースが一塁起用を“拒否”したことが大きな論議を呼んでいるのだ。

 8日の試合後、デバースは球団に対する不満をぶちまけた。「スプリング・トレーニングでは『DH以外のポジションでは起用しない』と言われた」「それなのに、今になってまた別のポジションを守れというのはおかしい」「GMが何を考えているのか分からない」「外野手が怪我をしたら今度は外野に回されるのか」「(フロントは)市場で別の選手を探すべき」……。

 デバースの主張にも背景説明が必要だろう。17年のメジャーデビュー以来ずっと三塁を守ってきたデバースだが、昨オフ、チームは同じ三塁手のアレックス・ブレグマンを補強。このあおりを受け、デバースはDHに転向することになった。

 チームの顔でもあるデバースにすれば、この措置だけでも少なからず自尊心を傷つけられたはず。実際、当初はDH転向に難色を示していたが、アレックス・コーラ監督と会談を重ねて最終的に受け入れた。それから2ヵ月も経たないうちに今度は一塁を守れというのでは、不満を口にしたくなる気持ちも分からないではない。
 また、デバースの発言の端々からはDH転向の時点からGM(クレイグ・ブレズロウCBO)とのコミュニケーションが円滑に進んでいなかったことも透けて見える。

 レッドソックスはこの件以外にもポジション問題を抱えている。昨オフ、左肩の手術を受けた吉田正尚は、打撃は問題なくこなせるにもかかわらず、DHにデバースがいるため故障者リストに入ったまま。球界最高のプロスペクトと評判のローマン・アンソニーも、3Aで大爆発中にもかかわらず外野陣が埋まっているためなかなか昇格できない。その一方で、正一塁手が抜けた穴は埋めらないまま……これではフロントに非があると言われても仕方ない。

 デバース、吉田、アンソニーの処遇と、新たに降って湧いた正一塁手不在という問題をどう解決するのか。このまま判断を先送りし続けると、優勝争いにも影響を及ぼしかねない。ブレズロウCBOには迅速かつ適切な決断が求められる。

構成●SLUGGER編集部

 
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