日韓球界で活躍した左腕がメジャーのマウンドに帰ってきた。

　2022年から23年にかけてNPBの西武ライオンズでプレーし、24年には韓国KBOリーグのLGツインズで13勝を挙げた34歳のディートリック・エンス。昨年12月にデトロイト・タイガースとマイナー契約を結んだ左腕は６月26日（日本時間27日）、本拠地コメリカ・パークでのアスレティックス戦で、ついに1371日ぶりとなるメジャー登板を果たした。

【動画】1371日ぶりにメジャー帰還。アスレティックス打線から２奪三振！

　アスレティックスとの３連戦最終戦に先発したエンスはテンポの良い投球で、５回を被安打１、与四球２、奪三振４の無失点に抑えた。77球中55球をストライクとする抜群の制球力が光り、アスレティックス打線から凡打の山を築く。４点のリードを保ち、勝利投手の権利を得てマウンドを降りた。

　試合は８対０でタイガースが快勝を収めた。長いブランクを感じさせないエンスの好投がつながり、チームはリーグ51勝目に到達。２位クリーブランド・ガーディアンズに9.5ゲーム差をつけ、中地区首位を独走する。
  　試合後、エンスは米放送局『ESPN』の取材に対し、「目標はずっとメジャーに戻ることだった。どこであろうと、その場所で得た経験を生かして技術を磨き、メジャーの舞台で最高の自分を出せるように努力してきたんだ」と語り、異国での野球経験を強調。自信と達成感をにじませた。

　タイガースのAJ・ヒンチ監督は、エンスの好投について「信じられないパフォーマンスだった。我々が必要としている時に素晴らしい投球を見せてくれた。彼と、彼を支えた全ての人々に脱帽している」と、賛辞を惜しまなかった。

　メジャーでの白星は2021年シーズンのタンパベイ・レイズ時代以来。日本や韓国での経験が実を結び、ついにメジャーのマウンドで再び輝きを放ったエンスのさらなる活躍に期待が高まる。　

構成●THE DIGEST編集部

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