2022年のNBA王者ゴールデンステイト・ウォリアーズは、今夏のFA(フリーエージェント)戦線でクレイ・トンプソンがダラス・マーベリックスへ移籍。クリス・ポールもウェイブ(保有権放棄)の末にサンアントニオ・スパーズへ旅立っていった。
サラリー超過が続いていたチームは、トンプソンのサイン&トレードが絡んだ6チーム間の動きでカイル・アンダーソンとバディ・ヒールド、完全FAのディアンソニー・メルトンを獲得し、ロスターを整備して今季を迎えることとなる。
ロスターには4度の優勝経験を誇るステフィン・カリーとドレイモンド・グリーンに加え、22年の優勝に貢献したアンドリュー・ウィギンズ、昨季躍進を遂げたジョナサン・クミンガが健在。ケボン・ルーニー、ゲイリー・ペイトン二世、モーゼス・ムーディーのほか、昨季オールルーキー1stチーム入りしたブランディン・ポジェムスキーやビッグマンのトレイス・ジャクソン・デイビスら若手も控えている。
だが、『TNT』で長年アナリストを務めるチャールズ・バークレー(元フェニックス・サンズほか)には“平凡”に映っているようだ。
7月11日、ネバダ州のエッジウッド・タホ・リゾートで開催中のゴルフ大会『アメリカン・センチュリー・チャンピオンシップ』で、ウォリアーズの地元メディア『NBC Sports Bay Area』から今季のチームについて聞かれたご意見番は次のように語っている。
「彼らは平凡なチーム。昨シーズンも平凡だった。来シーズンはよりいっそう平凡なチームと化すだろうな」
トンプソンとポール。今夏ウォリアーズは、ベテランのウイングと司令塔を失った。さらにインサイドの一角のダリオ・シャリッチもデンバー・ナゲッツへ移籍している。
ただ、冒頭に挙げた新加入の3人もそれぞれ異なる長所を有している。“スローモー”の愛称で親しまれるアンダーソンは高度なバスケットボールIQを備えていて、ヒールドはトンプソンと比較しても遜色ないほどのシュート力を持ち、メルトンは先発級の実力がある2ウェイガードだけに、大幅な戦力ダウンと判断するのは時期尚早だろう。
もし以前から報じられているユタ・ジャズのラウリー・マルッカネンをトレードで獲得し、ロスターへ加えることができるなら、少なくともオフェンス面では脅威となるが、そのためにはクミンガら若手の放出も覚悟しなければならず、戦力が格段にアップするかは微妙なところだ。
バークレーは「彼らの全盛期は過去のこと。快進撃はもう終わったんだ」と一刀両断。今後どんな補強に動いたとしても、ウォリアーズが“平凡なチーム”から抜け出すには至らないと見ている。
今季の最終着地点は来年の春まで待たなければならないが、昨季のウォリアーズは46勝36敗(勝率56.1%)でウエスタン・カンファレンス10位。勝率で並んだ9位のサクラメント・キングスとのプレーイン・ゲームを落としてプレーオフ進出を逃したことも、バークレーの低評価の要因になっているのだろう。
ウエストではプレーオフに進出した8チームに加え、41勝41敗(勝率50.0%)と前年から19勝も上積みしたヒューストン・ロケッツ、オールスターガードのジャ・モラントが完全復活する見込みのメンフィス・グリズリーズ、さらには大ベテランのポールと昨季の新人王ヴィクター・ウェンバンヤマを擁するスパーズに浮上する兆候があるため、今季はますます大混戦になる様相。
そうした過酷な状況で、カリー率いるウォリアーズはプレーオフへ返り咲き、覇権争いに参戦できるか。新シーズンの注目ポイントのひとつとしてチェックしておきたい。
文●秋山裕之(フリーライター)
サラリー超過が続いていたチームは、トンプソンのサイン&トレードが絡んだ6チーム間の動きでカイル・アンダーソンとバディ・ヒールド、完全FAのディアンソニー・メルトンを獲得し、ロスターを整備して今季を迎えることとなる。
ロスターには4度の優勝経験を誇るステフィン・カリーとドレイモンド・グリーンに加え、22年の優勝に貢献したアンドリュー・ウィギンズ、昨季躍進を遂げたジョナサン・クミンガが健在。ケボン・ルーニー、ゲイリー・ペイトン二世、モーゼス・ムーディーのほか、昨季オールルーキー1stチーム入りしたブランディン・ポジェムスキーやビッグマンのトレイス・ジャクソン・デイビスら若手も控えている。
だが、『TNT』で長年アナリストを務めるチャールズ・バークレー(元フェニックス・サンズほか)には“平凡”に映っているようだ。
7月11日、ネバダ州のエッジウッド・タホ・リゾートで開催中のゴルフ大会『アメリカン・センチュリー・チャンピオンシップ』で、ウォリアーズの地元メディア『NBC Sports Bay Area』から今季のチームについて聞かれたご意見番は次のように語っている。
「彼らは平凡なチーム。昨シーズンも平凡だった。来シーズンはよりいっそう平凡なチームと化すだろうな」
トンプソンとポール。今夏ウォリアーズは、ベテランのウイングと司令塔を失った。さらにインサイドの一角のダリオ・シャリッチもデンバー・ナゲッツへ移籍している。
ただ、冒頭に挙げた新加入の3人もそれぞれ異なる長所を有している。“スローモー”の愛称で親しまれるアンダーソンは高度なバスケットボールIQを備えていて、ヒールドはトンプソンと比較しても遜色ないほどのシュート力を持ち、メルトンは先発級の実力がある2ウェイガードだけに、大幅な戦力ダウンと判断するのは時期尚早だろう。
もし以前から報じられているユタ・ジャズのラウリー・マルッカネンをトレードで獲得し、ロスターへ加えることができるなら、少なくともオフェンス面では脅威となるが、そのためにはクミンガら若手の放出も覚悟しなければならず、戦力が格段にアップするかは微妙なところだ。
バークレーは「彼らの全盛期は過去のこと。快進撃はもう終わったんだ」と一刀両断。今後どんな補強に動いたとしても、ウォリアーズが“平凡なチーム”から抜け出すには至らないと見ている。
今季の最終着地点は来年の春まで待たなければならないが、昨季のウォリアーズは46勝36敗(勝率56.1%)でウエスタン・カンファレンス10位。勝率で並んだ9位のサクラメント・キングスとのプレーイン・ゲームを落としてプレーオフ進出を逃したことも、バークレーの低評価の要因になっているのだろう。
ウエストではプレーオフに進出した8チームに加え、41勝41敗(勝率50.0%)と前年から19勝も上積みしたヒューストン・ロケッツ、オールスターガードのジャ・モラントが完全復活する見込みのメンフィス・グリズリーズ、さらには大ベテランのポールと昨季の新人王ヴィクター・ウェンバンヤマを擁するスパーズに浮上する兆候があるため、今季はますます大混戦になる様相。
そうした過酷な状況で、カリー率いるウォリアーズはプレーオフへ返り咲き、覇権争いに参戦できるか。新シーズンの注目ポイントのひとつとしてチェックしておきたい。
文●秋山裕之(フリーライター)
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