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エンジェルスに有益でも“ドジャースに選手を渡したくない” 移籍の噂と仮定の話で、エ軍メディアがモレノオーナーに猛反発「軽率で意地が悪い!」

THE DIGEST編集部

2025.07.30

“噂”と“仮定”の話ながら、過去の行動を掘り起こされて地元メディアから猛反発を受けたエンジェルスのモレノオーナー。(C)REUTERS/AFLO

「ロサンゼルス・エンジェルスのオーナー、アート・モレノはチームに有益な取引を捨ててでも、ドジャースファンの夢の再会を阻止したい。モレノは論理ではなく感情で決断を下す。これには驚きしかない!」

 現地7月31日のトレード期限を前に、多くの米メディアが各球団の動向を連日のように報道している。そのなかで、ブルペン陣に複数の負傷者を抱えるロサンゼルス・ドジャースが、エンジェルスの守護神ケンリー・ジャンセンに興味を持っているという話題が挙がった。

 現役最多セーブ数(466)を誇るジャンセンは、17歳だった2004年にドジャースとアマチュアFA契約を結び、2010年の昇格から11シーズンにわたってプレー。ドジャースへのトレード移籍が決まれば、4年ぶりの古巣復帰となる。

 ジャンセンのドジャース移籍の噂に対して、米メディア『FanSided』のロバート・マレー記者は、「ジャンセンのトレード移籍の報道を多く目にした。しかし、私は地獄が凍りつくほうが現実的だと思う。なぜなら、モレノがドジャースと取引をするなんて想像もできないからだ。オーナーの性格を知っているつもりだが、彼は絶対にそんなことはしない」とポッドキャスト番組で語った。

 こうした一連の流れにエンジェルス専門メディア『Halo Hangout』が反応。冒頭のような見出しで記事を作成した。

「マレー記者は、主張の根拠として2020年の出来事を挙げている。当時、ドジャースはボストンからムーキー・ベッツを獲得するにあたり、年俸を削減する必要があった。その際、ジョク・ピーダーソン、ロス・ストリップリング、アンディ・パヘスと、エンジェルスのルイス・レンヒーフォ+無名プロスペクト2人とのトレードが成立目前だった。エンジェルスにとって大きな勝利となる取引だったが、モレノの感情的な判断でビリー・エプラーGMが交渉から撤退した。将来を見据えた取引を白紙に戻した一件は、モレノがオーナーとして、いかに未熟かを象徴する出来事だった」

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 ドジャースが利する取引は、エンジェルスに有益であってもモレノは成立させたくない――。このような認識が広まっているのだろう。37歳の守護神ジャンセンとの引き換えで、ドジャースから有望な若手を引き抜けそうな今夏の交渉もまとまらない予感があるからこそ、『Halo Hangout』は怒りの声を挙げたのだ。

「ドジャースが求める選手を渡さなければ、一時的に溜飲を下げるエンジェルスファンもいるかもしれない。しかし、37歳の投手と若手有望株とのトレード機会を検討すらしないのは、狭量かつ短絡的だ。もしジャンセンが無理だと判断したら、ドジャースは他の選択肢に切り替えるだけ。ジャンセンとのトレードでドジャースのダルトン・ラッシングやホセ・デポーラ、ザイール・ホープ、アレックス・フリーランドといった逸材を獲得できる可能性があるというのに」

 ドジャースがジャンセンを狙っているという報道はあくまで噂に過ぎず、さらにオーナーのモレノが取引を拒否するだろうというのも仮定の話。それでも米記者や地元メディアはモレノの行動を予想し、事前に反発の声を挙げた格好だ。

 そして同メディアは、記事の最後を次のようなメッセージで締めくくった。

「アート、あのレッドソックスとヤンキースですらトレードをする時代なんだ。しかも、ドジャースはエンジェルスをまったく眼中に入れていない。チームの将来にかかわる潜在的なトレードの可能性を潰すのはやめてくれ。あなたはなんて軽薄で意地が悪いんだ!」

構成●THE DIGEST編集部

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