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MLB

6月に主砲を放出、トレード・デッドラインでは「負け組」認定...それでも勝ち続けるレッドソックス、ついに地区首位も視野<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2025.08.06

トレード・デッドラインでは大物補強に失敗。それでもレッドソックスの勢いは止まらない。写真:GETTY IMAGES

トレード・デッドラインでは大物補強に失敗。それでもレッドソックスの勢いは止まらない。写真:GETTY IMAGES

 レッドソックスの勢いが止まらない。8月5日のロイヤルズ戦では初回にジャレン・デュランの3ランなどでいきなり5点を先制。先発ブライアン・ベイオは走者を背負いながらも6回失点と好投し、終盤に追い上げられたものの、8対5で勝利した。これで6連勝となり、ワイルドカード首位の座を堅持。2位ヤンキースとのゲーム差を2.5に広げた。

 この快進撃は誰の目にも意外に映っているだろう。というのも、ここ最近のフロントの動きとは明らかに“矛盾”しているからだ。

 6月15日、レッドソックスはまさに青天霹靂の電撃トレードで主砲ラファエル・デバースをジャイアンツへ放出した。見返りに得た4人のうち3人は若手有望株とあって、「早くもシーズンをあきらめたのか!?」との声も出たが、編成トップを務めるクレイグ・ブレズロウCBOは「白旗を掲げたわけではない」と断言。「トレード・デッドラインへ向けて(金銭的な)余裕ができた」とも語り、夏の移籍市場で積極補強に動くことも明言した。

 ところが、7月31日のトレード期限までに獲得したのは救援左腕のスティーブン・マッツとドジャースで防御率4.85と苦しんでいた先発右腕のダスティン・メイだけ。各メディアはこぞって「デッドラインの負け組」に挙げ、『ジ・アスレティック』のケン・ローゼンタールに至っては「とんでもない大失敗」とこき下ろした。

 にもかかわらず、デッドライン明けから始まったアメリカン・リーグ西地区首位アストロズとの3連戦で3連勝。上述したように4日のロイヤルズ戦にも勝ち、7月29日からの連勝を6にまで伸ばした。
 快進撃の要因はいくつかある。まずは先発投手陣。サイ・ヤング賞候補のギャレット・クローシェイ以外にも、ルーカス・ジオリトやベイオが好投を続けている。また、打線も、超新星ローマン・アンソニーやセダン・ラファエラ、カルロス・ナルバエスら若手とアレックス・ブレグマン、トレバー・ストリー、ジャレン・デュランらベテラン/中堅が上手く融合。アレックス・コーラ監督の適材適所の起用もハマっている。

 結果、デバース放出後は26勝15敗、勝率.634で、これはMLB全体でも4位。ア・リーグ東地区1位のブルージェイズとの差も3ゲームにまで縮まり、ついに首位の座も見えてきた。

 一方、球界屈指のスラッガーを手に入れたはずのジャイアンツはというと、他でもないデバースの不振もあって停滞。何とトレード・デッドラインでは「売り手」に回って複数の主力を放出してしまった。

 トレード成立当時、このような展開になるとは一体誰が予想できただろう。今後も強豪との対戦が続くレッドソックスだが、この快進撃をどこまで維持できるだろうか。にわかに終盤戦の「台風の目」になろうとしている。

構成●SLUGGER編集部

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