朝からの雨で午前の部の2試合が中止となり、夕方の部の2試合が行われた夏の甲子園、第3日。まず注目を集めていたのが津田学園のエース左腕・桑山晄太郎(3年・投手)だ。
3回までは内野安打1本、3奪三振と見事なピッチングを披露。中盤からはストレートの勢いが落ち、相手打線に痛打を浴びる場面もあったものの、最終的には12回を一人で投げ切り、9奪三振、自責点3で完投勝利を挙げた。
少し小さいテイクバックで急に腕が出てくるように見えるフォームで、打者からするとタイミングが取りづらいタイプに見える。3種類投げ分けているというスライダーは鋭く変化し、三振を奪う能力も高い。
ストレートは最速143キロにとどまり、中盤以降は130キロ台後半までダウンしたものの、最後までコントロールが乱れることがなかったのも勝利の大きな要因だった。貴重な左腕だけに、大学でスケールアップすれば4年後には上位候補となる可能性も高いだろう。
敗れた初出場の英明で目立ったのが田口遼平(3年・遊撃手/投手)だ。桑山を相手にタイムリーを含む2安打と犠牲フライで2打点をマーク。171㎝と上背はないものの、リストワークの良さは抜群で、踏み込みの強さもあり、広角に打ち分ける打撃技術の高さが光った。 守備面ではフットワーク、ハンドリングともにまだまだ改善の余地はあるが、投手としても140キロを超える球速を計時し、正確なスローイングも光る。最後は自らのバント処理のミスでサヨナラ負けを喫したが、この悔しさをバネにさらに成長してくれることを期待したい。
第2試合では広陵がロースコアの接戦を制したが、その立役者となったのが堀田昂祐(3年・投手)だ。1年夏から甲子園での登板経験があり、4月に行われたU-18侍ジャパン強化合宿にも召集された右腕である。春の県大会で調子が上がらず苦しんだが、この夏は見事に復調。この日も被安打3、10奪三振で1失点完投勝利を収めた。
ストレートは140キロ前後とそれほど球速があるわけではないが、力みのないフォームで縦に腕が振れており、右打者にも左打者にも内角を突くコントロールがあるのが大きな長所だ。緩急をつけるカーブ、ブレーキ十分のフォームを武器に相手打線に最後まで的を絞らせなかった。また、異様な雰囲気の中で行われた試合で、落ち着きを失わない姿も印象的だった。
1年夏の投球を考えるとそこからの2年間での成長は少し物足りなさはあるものの、183cmと長身でまだまだここから伸びる可能性も高いだけに、今後もぜひ注目生てもらいたい投手である。
構成●THE DIGEST編集部
【記事】【甲子園を沸かせた好選手│2日目】仙台育英・吉川、金足農・吉田、沖縄尚学・末吉...3人の投手がそれぞれ持ち味を発揮
【記事】【夏の甲子園展望】横浜、智弁和歌山も有力候補だが2回戦から登場の健大高崎が一歩リードか――西尾典文の優勝予想<SLUGGER>
【記事】【甲子園プロ注目の選手たち】投手ではドラフト1位指名が有力視される健大高崎の石垣、 野手は超高校遊撃手の神村学園・今岡に熱視線<SLUGGER>
3回までは内野安打1本、3奪三振と見事なピッチングを披露。中盤からはストレートの勢いが落ち、相手打線に痛打を浴びる場面もあったものの、最終的には12回を一人で投げ切り、9奪三振、自責点3で完投勝利を挙げた。
少し小さいテイクバックで急に腕が出てくるように見えるフォームで、打者からするとタイミングが取りづらいタイプに見える。3種類投げ分けているというスライダーは鋭く変化し、三振を奪う能力も高い。
ストレートは最速143キロにとどまり、中盤以降は130キロ台後半までダウンしたものの、最後までコントロールが乱れることがなかったのも勝利の大きな要因だった。貴重な左腕だけに、大学でスケールアップすれば4年後には上位候補となる可能性も高いだろう。
敗れた初出場の英明で目立ったのが田口遼平(3年・遊撃手/投手)だ。桑山を相手にタイムリーを含む2安打と犠牲フライで2打点をマーク。171㎝と上背はないものの、リストワークの良さは抜群で、踏み込みの強さもあり、広角に打ち分ける打撃技術の高さが光った。 守備面ではフットワーク、ハンドリングともにまだまだ改善の余地はあるが、投手としても140キロを超える球速を計時し、正確なスローイングも光る。最後は自らのバント処理のミスでサヨナラ負けを喫したが、この悔しさをバネにさらに成長してくれることを期待したい。
第2試合では広陵がロースコアの接戦を制したが、その立役者となったのが堀田昂祐(3年・投手)だ。1年夏から甲子園での登板経験があり、4月に行われたU-18侍ジャパン強化合宿にも召集された右腕である。春の県大会で調子が上がらず苦しんだが、この夏は見事に復調。この日も被安打3、10奪三振で1失点完投勝利を収めた。
ストレートは140キロ前後とそれほど球速があるわけではないが、力みのないフォームで縦に腕が振れており、右打者にも左打者にも内角を突くコントロールがあるのが大きな長所だ。緩急をつけるカーブ、ブレーキ十分のフォームを武器に相手打線に最後まで的を絞らせなかった。また、異様な雰囲気の中で行われた試合で、落ち着きを失わない姿も印象的だった。
1年夏の投球を考えるとそこからの2年間での成長は少し物足りなさはあるものの、183cmと長身でまだまだここから伸びる可能性も高いだけに、今後もぜひ注目生てもらいたい投手である。
構成●THE DIGEST編集部
【記事】【甲子園を沸かせた好選手│2日目】仙台育英・吉川、金足農・吉田、沖縄尚学・末吉...3人の投手がそれぞれ持ち味を発揮
【記事】【夏の甲子園展望】横浜、智弁和歌山も有力候補だが2回戦から登場の健大高崎が一歩リードか――西尾典文の優勝予想<SLUGGER>
【記事】【甲子園プロ注目の選手たち】投手ではドラフト1位指名が有力視される健大高崎の石垣、 野手は超高校遊撃手の神村学園・今岡に熱視線<SLUGGER>
関連記事
- 【甲子園を沸かせた好選手│2日目】仙台育英・吉川、金足農・吉田、沖縄尚学・末吉...3人の投手がそれぞれ持ち味を発揮
- 【甲子園を沸かせた好選手│1日目】躍動感たっぷりの創成館・森下は投球術の巧みさも◎ 大学・社会人経由で将来のプロ入りも
- 【広陵】別の暴力事案で元部員から高野連に情報提供 「SNS上の新たな情報」は第三者委員会が調査中
- 【甲子園プロ注目の選手たち】投手ではドラフト1位指名が有力視される健大高崎の石垣、 野手は超高校遊撃手の神村学園・今岡に熱視線<SLUGGER>
- 【夏の甲子園展望】横浜、智弁和歌山も有力候補だが2回戦から登場の健大高崎が一歩リードか――西尾典文の優勝予想<SLUGGER>