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高校野球

【甲子園を沸かせた好選手│3日目】見事なコントロールで最後まで旭川志峯に的を絞らせなかった広陵・堀田の見事な投球

THE DIGEST編集部

2025.08.08

異様な雰囲気の中で行われた試合で、広陵・堀田は冷静な投球を披露した。写真:THE DIGEST写真部

異様な雰囲気の中で行われた試合で、広陵・堀田は冷静な投球を披露した。写真:THE DIGEST写真部

 朝からの雨で午前の部の2試合が中止となり、夕方の部の2試合が行われた夏の甲子園、第3日。まず注目を集めていたのが津田学園のエース左腕・桑山晄太郎(3年・投手)だ。

 3回までは内野安打1本、3奪三振と見事なピッチングを披露。中盤からはストレートの勢いが落ち、相手打線に痛打を浴びる場面もあったものの、最終的には12回を一人で投げ切り、9奪三振、自責点3で完投勝利を挙げた。

 少し小さいテイクバックで急に腕が出てくるように見えるフォームで、打者からするとタイミングが取りづらいタイプに見える。3種類投げ分けているというスライダーは鋭く変化し、三振を奪う能力も高い。

 ストレートは最速143キロにとどまり、中盤以降は130キロ台後半までダウンしたものの、最後までコントロールが乱れることがなかったのも勝利の大きな要因だった。貴重な左腕だけに、大学でスケールアップすれば4年後には上位候補となる可能性も高いだろう。

 敗れた初出場の英明で目立ったのが田口遼平(3年・遊撃手/投手)だ。桑山を相手にタイムリーを含む2安打と犠牲フライで2打点をマーク。171㎝と上背はないものの、リストワークの良さは抜群で、踏み込みの強さもあり、広角に打ち分ける打撃技術の高さが光った。
 守備面ではフットワーク、ハンドリングともにまだまだ改善の余地はあるが、投手としても140キロを超える球速を計時し、正確なスローイングも光る。最後は自らのバント処理のミスでサヨナラ負けを喫したが、この悔しさをバネにさらに成長してくれることを期待したい。

 第2試合では広陵がロースコアの接戦を制したが、その立役者となったのが堀田昂祐(3年・投手)だ。1年夏から甲子園での登板経験があり、4月に行われたU-18侍ジャパン強化合宿にも召集された右腕である。春の県大会で調子が上がらず苦しんだが、この夏は見事に復調。この日も被安打3、10奪三振で1失点完投勝利を収めた。

 ストレートは140キロ前後とそれほど球速があるわけではないが、力みのないフォームで縦に腕が振れており、右打者にも左打者にも内角を突くコントロールがあるのが大きな長所だ。緩急をつけるカーブ、ブレーキ十分のフォームを武器に相手打線に最後まで的を絞らせなかった。また、異様な雰囲気の中で行われた試合で、落ち着きを失わない姿も印象的だった。

 1年夏の投球を考えるとそこからの2年間での成長は少し物足りなさはあるものの、183cmと長身でまだまだここから伸びる可能性も高いだけに、今後もぜひ注目生てもらいたい投手である。

構成●THE DIGEST編集部

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