昨年から導入された二部制で4試合が行われた大会第2日。まず素晴らしいピッチングを見せたのが第1試合に登場した仙台育英のエース、吉川陽大(3年)だ。
立ち上がりは緊張があったとのことだが、それをまったく感じさせない投球で鳥取城北打線から三振を量産。最終的に散発の5安打、12奪三振で完封勝利をマークした。ストレートの最速は144キロと驚くような数字ではなかったが、打者の手元で鋭く変化するカットボールが決め球となり、他にもカーブ、スライダー、チェンジアップを駆使した投球は見事だった。
他にも力のある投手は多く、継投で戦うことが多い仙台育英で最後までマウンドを任されたところにも信頼の高さがうかがえた。今大会に出場している3年生左腕では屈指の存在であり、有力なドラフト候補となりそうだ。
3年生投手では2年連続の出場となった吉田大輝(金足農)もこの1年での着実な成長ぶりを見せた。右太腿の違和感で先発登板は回避したものの、5回2死三塁の場面でマウンドに上がると、143キロのストレートでセカンドゴロに打ち取り1球でピンチを脱出。その後、、トレートは最速147キロまでアップし、沖縄尚学打線を苦しめた。最終的には7回にタイムリーを浴びてこれが決勝点となり敗れたが、スピードだけでなくコントロール、変化球も昨年より明らかにレベルアップしたことは間違いない。将来的には兄の吉田輝星(オリックス)と同じプロの舞台に立つ可能性も十分だ。
そしてそんな3年生以上に強烈なインパクトを残したのが第3試合に登場した末吉良丞(沖縄尚学2年・投手)だ。1回にツーアウトから不運なヒットで出塁を許したものの、それ以降は17人連続でアウトを奪う圧倒的なピッチングを披露。7回ワンアウトからレフト前ヒットを打たれるまでは外野まで飛んだ打球はゼロだった。 終盤は少し疲れも見えたが、被安打3、四死球0、14奪三振で完封勝利をマーク。最速146キロを計測したストレートは数字以上に手元で勢いがあり、まだまだ余力が感じられた。これだけのスピードがある左投手でありながらコントロールも抜群で大きいカーブ、鋭く横に滑るスライダー、カットボール、ブレーキのあるフォークなど変化球も一級品だ。3年生を含めても総合力は全国でも屈指の存在であり、順調にいけば来年の上位候補となる可能性は極めて高いだろう。
野手で最も目立ったのも下級生の稲山壮真(鳴門2年・一塁手)だった。同点のタイムリーを含む4打数4安打1打点の大活躍で4番としての役割を見事に果たしたのだ。たくましい体格でパワーも目立つが、ボールを呼び込むのが上手く、スウィングに柔らかさがあるのが魅力だ。引っ張るだけでなく広角に鋭く打ち返すことができており、ツーベース2本はいずれも逆方向だった。打つ以外のプレーは平凡だが、打撃に関しては全国レベルであることは間違いない。
ここまでは全体的に投手の活躍ぶりが目立つ大会となっている。それだけに、第3日以降は3年生の野手で強烈な輝きを放つ選手が出てくることを期待したい。
構成●THE DIGEST編集部
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立ち上がりは緊張があったとのことだが、それをまったく感じさせない投球で鳥取城北打線から三振を量産。最終的に散発の5安打、12奪三振で完封勝利をマークした。ストレートの最速は144キロと驚くような数字ではなかったが、打者の手元で鋭く変化するカットボールが決め球となり、他にもカーブ、スライダー、チェンジアップを駆使した投球は見事だった。
他にも力のある投手は多く、継投で戦うことが多い仙台育英で最後までマウンドを任されたところにも信頼の高さがうかがえた。今大会に出場している3年生左腕では屈指の存在であり、有力なドラフト候補となりそうだ。
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そしてそんな3年生以上に強烈なインパクトを残したのが第3試合に登場した末吉良丞(沖縄尚学2年・投手)だ。1回にツーアウトから不運なヒットで出塁を許したものの、それ以降は17人連続でアウトを奪う圧倒的なピッチングを披露。7回ワンアウトからレフト前ヒットを打たれるまでは外野まで飛んだ打球はゼロだった。 終盤は少し疲れも見えたが、被安打3、四死球0、14奪三振で完封勝利をマーク。最速146キロを計測したストレートは数字以上に手元で勢いがあり、まだまだ余力が感じられた。これだけのスピードがある左投手でありながらコントロールも抜群で大きいカーブ、鋭く横に滑るスライダー、カットボール、ブレーキのあるフォークなど変化球も一級品だ。3年生を含めても総合力は全国でも屈指の存在であり、順調にいけば来年の上位候補となる可能性は極めて高いだろう。
野手で最も目立ったのも下級生の稲山壮真(鳴門2年・一塁手)だった。同点のタイムリーを含む4打数4安打1打点の大活躍で4番としての役割を見事に果たしたのだ。たくましい体格でパワーも目立つが、ボールを呼び込むのが上手く、スウィングに柔らかさがあるのが魅力だ。引っ張るだけでなく広角に鋭く打ち返すことができており、ツーベース2本はいずれも逆方向だった。打つ以外のプレーは平凡だが、打撃に関しては全国レベルであることは間違いない。
ここまでは全体的に投手の活躍ぶりが目立つ大会となっている。それだけに、第3日以降は3年生の野手で強烈な輝きを放つ選手が出てくることを期待したい。
構成●THE DIGEST編集部
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