旋風の予感ーー。
鋭いスイングで快打を連発する打線に確かな可能性を感じる。4年ぶり3度目の出場となった山口県代表・高川学園が初戦を突破。それも、ドラフト候補と騒がれる未来富山の注目左腕・江藤蓮に11安打を浴びせての猛攻には目を見張るものがあった。
「宿舎でチームのみんなと分析強化部もきてるんで、江藤君の動画を見ながら対策をしました。真っすぐも変化球も高校生ではなかなかいないようなピッチャーなんで、何を打つかを考えた時に、甘く入る変化球を捉えられたらなというふうに分析していました。チームとして、その球をしっかり打てた。分析の結果が今日の8得点につながったんじゃないかなと思います」
2点ビハインドの2回表、反撃の狼煙となるソロ本塁打を放った主砲の遠矢文太はそうはにかんだ。
力強い打線はオフ期のティー打撃やウェイト・トレーニングが礎となっている。それはどこにもあるような冬場の取り組みだが、現チームはそれらに手を抜かずにやってきたことが成果につながっている。
松本祐一郎監督はいう。
「夏は打てないと勝てないと。過去の反省をもとにずっと冬場はバッティング練習に取り組んできて、とにかく強く振ろうと、そこだけ妥協しないように。シンプルですけど、ずっと長い時間、徹底してやったことが今の力強さにつながったのかなと思います」
そんなチームの気持ちの後押しになっているのが、1番・若藤芽空が「憧れの人」と語る、同校OBでこの秋のドラフト上位候補の立石正広(創価大)だ。立石は高川学園が前回甲子園に出場した2021年に4番・サードを務めていた。
甲子園出場3度の高川学園に古い歴史はないものの、OB選手がよくグラウンドに顔を出し、選手らと汗を流す。強くなってからの歴史の浅いチームにとって、彼らの存在は大きい。特に立石のように野球界が注目するドラフト上位候補となれば、選手たちの取り組みに対する関心はかなり高い。
遠矢はいう。
「立石さんと一緒に練習をさせてもらったことは何度もあるんですけど、技術的な話はあんまり聞いたりしていなくて、大舞台で力を発揮するためにどうしたらいいかを聞きました。それは日頃から頑張っていたら、そのご褒美という感覚でチャンスが回ってくる。そこで必ず結果が出るから、日々の積み重ねが大事っていうふうに言われてたんで、その言葉をしっかり心に入れてやってきました」
現選手たちがオフシーズンのしんどい時期に頑張れたのは、立石のようなOBがチームを後押ししてくれたからだ。成功にはこれだけの努力が必要だと、それを実感できる存在がいたというわけである。
松本監督は立石らの存在の大きさをこう語る。
「OBがいろんなところで活躍してくれているので、その影響もあります。いろんな大学で得た知識を後輩に伝えてくれるのが本校の良さ。私の指導というよりは、野球部全体、OBも含めて一緒に強くなっているような感覚があります。立石は本当にずっと頑張り続けられる選手でした。中学、高校と監督をしましたけど、早い段階から野球の練習だけは手を抜くようなことはなかった。そういうところに伸びる要素、素質があると思います。コツコツ積み重ねた先に今がある。そういうふうな選手の存在は大きいです」
卒業生たちの成功が、チームにとって礎となっているのは間違いない。甲子園出場の回数は少なくても、「教えてきたことは間違いじゃなかった」と指揮官にも大きなものをもたらしている。
鋭いスイングで快打を連発する打線に確かな可能性を感じる。4年ぶり3度目の出場となった山口県代表・高川学園が初戦を突破。それも、ドラフト候補と騒がれる未来富山の注目左腕・江藤蓮に11安打を浴びせての猛攻には目を見張るものがあった。
「宿舎でチームのみんなと分析強化部もきてるんで、江藤君の動画を見ながら対策をしました。真っすぐも変化球も高校生ではなかなかいないようなピッチャーなんで、何を打つかを考えた時に、甘く入る変化球を捉えられたらなというふうに分析していました。チームとして、その球をしっかり打てた。分析の結果が今日の8得点につながったんじゃないかなと思います」
2点ビハインドの2回表、反撃の狼煙となるソロ本塁打を放った主砲の遠矢文太はそうはにかんだ。
力強い打線はオフ期のティー打撃やウェイト・トレーニングが礎となっている。それはどこにもあるような冬場の取り組みだが、現チームはそれらに手を抜かずにやってきたことが成果につながっている。
松本祐一郎監督はいう。
「夏は打てないと勝てないと。過去の反省をもとにずっと冬場はバッティング練習に取り組んできて、とにかく強く振ろうと、そこだけ妥協しないように。シンプルですけど、ずっと長い時間、徹底してやったことが今の力強さにつながったのかなと思います」
そんなチームの気持ちの後押しになっているのが、1番・若藤芽空が「憧れの人」と語る、同校OBでこの秋のドラフト上位候補の立石正広(創価大)だ。立石は高川学園が前回甲子園に出場した2021年に4番・サードを務めていた。
甲子園出場3度の高川学園に古い歴史はないものの、OB選手がよくグラウンドに顔を出し、選手らと汗を流す。強くなってからの歴史の浅いチームにとって、彼らの存在は大きい。特に立石のように野球界が注目するドラフト上位候補となれば、選手たちの取り組みに対する関心はかなり高い。
遠矢はいう。
「立石さんと一緒に練習をさせてもらったことは何度もあるんですけど、技術的な話はあんまり聞いたりしていなくて、大舞台で力を発揮するためにどうしたらいいかを聞きました。それは日頃から頑張っていたら、そのご褒美という感覚でチャンスが回ってくる。そこで必ず結果が出るから、日々の積み重ねが大事っていうふうに言われてたんで、その言葉をしっかり心に入れてやってきました」
現選手たちがオフシーズンのしんどい時期に頑張れたのは、立石のようなOBがチームを後押ししてくれたからだ。成功にはこれだけの努力が必要だと、それを実感できる存在がいたというわけである。
松本監督は立石らの存在の大きさをこう語る。
「OBがいろんなところで活躍してくれているので、その影響もあります。いろんな大学で得た知識を後輩に伝えてくれるのが本校の良さ。私の指導というよりは、野球部全体、OBも含めて一緒に強くなっているような感覚があります。立石は本当にずっと頑張り続けられる選手でした。中学、高校と監督をしましたけど、早い段階から野球の練習だけは手を抜くようなことはなかった。そういうところに伸びる要素、素質があると思います。コツコツ積み重ねた先に今がある。そういうふうな選手の存在は大きいです」
卒業生たちの成功が、チームにとって礎となっているのは間違いない。甲子園出場の回数は少なくても、「教えてきたことは間違いじゃなかった」と指揮官にも大きなものをもたらしている。