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8試合連続白星なしの千賀滉大、悩めるエース右腕にNYメディア辛口「着実な後退へと変わった」「“ゴーストフォーク”に依存している」

THE DIGEST編集部

2025.08.28

フィリーズ戦に先発した千賀。またも勝利はお預けとなった。(C)Getty Images

 ニューヨーク・メッツの千賀滉大は現地8月25日、本拠地でのフィラデルフィア・フィリーズ戦に先発し、93球を投げ6安打、3失点。5回途中で降板した。チームは13対3で勝利したものの、千賀はまたも白星はお預け。8試合連続勝ち星から見放されている。

 今季初めて中4日での先発となった千賀は初回、先頭のトレイ・ターナーに中堅への三塁打を打たれると、続くカイル・シュワーバーの内野ゴロの間にターナーが生還。打者2人で先制点を献上する不安定な立ち上がりを露呈する。

 3回にも四球と3本の単打で2点を献上。無失点で終えた2回と4回はそれぞれ得点圏までランナーを出すなど、千賀はこの日も全体を通してピンチを背負うピッチングとなった。

 右太腿の故障から復帰後最多タイとなる球数を投げるも、復帰前まで好調だった自身のリズムを取り戻せないまま悔しい結果に千賀はベンチで唇を噛んだ。

 不振が続き勝ち星が遠い日本人右腕の現状について、地元メディアの評価は厳しい。専門メディア『am NewYork』は「当初はハムストリングの故障で1か月離脱した後での、試合勘の問題だと考えられていた。だが、今や着実な後退へと変わってしまった」と辛口めに言及。現在の千賀の印象を振り返りながら、ここまでの不調の原因について、以下のように掘り下げている。

「センガの投球スタイルは常に紙一重だ。(ストライク)ゾーン外で勝負しにいき、彼の代名詞である"ゴーストフォーク"で空振りを誘うことに依存している。だが今季は、打者が容易に見極められる明らかなボール球が多く、そのため打者が簡単に見送っている」
 
 記事では、メッツのデビッド・スターンズ編成本部長が千賀について語ったコメントも掲載。「ゾーン内で安定した質の高いボールが見られない」「どうしてもコースを突きすぎてしまう傾向が出る。カウントのコントロールに苦労している」などと、勝ち星から見放されている要因を冷静に分析している。

 また一方では、「失点を最小限に抑える点ではよくやっていると思う。センガの登板では毎回ランナーを背負う展開が多いが、それでも試合を壊さず、チームを競争できる状況に踏みとどまらせている」と、要所で抑える千賀の粘投を称える言葉もあった。

 球威、キレ、制球面、いずれも精彩を欠いているとされ、シビアな評価を下される千賀。これまで積み重ねてきたエースとして変わらぬ信頼を寄せられるなか、残り試合の中で周囲からの高い期待に応えることができるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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