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禁止薬物使用者は出場NG、公式戦未出場のルーキーがメンバー入りする“裏技”も...「プレーオフ・ロースター」のルールを徹底解説<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2025.10.04

02年プレーオフにすい星のごとく現れたK-RODことフランシスコ・ロドリゲス。彼のような“秘密兵器”は現れるだろうか?(C)Getty Images

02年プレーオフにすい星のごとく現れたK-RODことフランシスコ・ロドリゲス。彼のような“秘密兵器”は現れるだろうか?(C)Getty Images

 現地9月30日から、いよいよMLBのプレーオフが開幕した。ポストシーズンのロースターはレギュラーシーズンと同じ26人。だが、そこには独特のルールも存在する。“意外な抜け穴”も含め、MLB独特のポストシーズン・ロースターにまつわるさまざまなルールを分かりやすく説明していこう。

●大原則は「9月1日までに40人ロースター入りしていること」

 プレーオフのロースターに関するルールには、まず一番最初にこのように書いてある。

「アメリカ東部時間9月1日正午時点で40人ロースター、または60日間の故障者リスト(IL)に入っていた選手は誰でもポストシーズンに出場できる」

 まずここでのポイントは、出場条件が26人ロースターではないこと。つまり、9月1日時点で1試合も公式戦に出ていなくても、40人ロースターにさえ入っていればプレーオフに出場できる、ということだ。

 たとえばレッドソックスでは、ルーキー左腕のペイトン・トーリーがロースター入り。彼はデッドラインギリギリの8月29日に40人枠入り(同日にメジャーデビュー)したため、何の問題もなくワイルドカード・シリーズでロースター入り。第2戦で実際にプレーオフ初登板を果たした。
 
●禁止薬物使用選手は出場できない

 ILとは別に、出場制限リスト(Restricted List)というものがある。これが適用されるケースには大きく分けて、①野球に関係ない個人的な理由などで離脱する場合 ②薬物違反や事件への関与でMLB機構から出場停止処分を科された場合の2つのパターンがある。

 昨年7月にダルビッシュ有(パドレス)が離脱した際の理由は①に該当する家庭の事情。一方、22年に当時ドジャースのトレバー・バウアー(現DeNA)が女性に暴力を振るった疑いで制限リスト入りしたのは②のパターンだ。

 9月1日時点で出場制限リストに入っていた選手は、厳密にはMLBではプレーしていなかったことになるが、40人枠に入ってさえいれば問題なくプレーオフに出場できる(22年のバウアーのケースでは、ドジャースがメンバーから外した)。

 だが、例外がある。それは禁止薬物薬物使用で出場停止処分を受けた場合だ。今季で言えば、5月に80試合の出場停止処分を受けたリリーフ投手ホゼ・アルバラード(フィリーズ)がこれに該当する。

 処分をまっとうして8月20日から実戦復帰したアルバラードはその後、平均100マイルに迫る剛速球を武器に勝利の方程式入りしていたが、今年のプレーオフには出場できないため、フィリーズにとっては少なくないダメージとなる。

●シリーズ中に故障者が出たらどうなる?

 プレーオフではロースターの26人とは別に、「予備選手」を登録することができる。彼らはロースター内の選手がポストシーズン中に負傷した場合、その穴埋めとして出場することができる。負傷者が出ない限り出番はないが、ゲーム中はダグアウトに入ることも認められている。

 ただ、怪我で予備選手と交代したプレーヤーは、その次のシリーズではロースターに登録できない。仮にワイルドカード・シリーズ中に負傷して予備選手と交代した場合には、地区シリーズには出場できず、次の出番はリーグ優勝決定シリーズまで待たねばならない。
 
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