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プロ野球

オープン戦が本格的にスタート。先発再登板となる楽天・松井裕樹の今シーズンを占う鍵となるのは…?

氏原英明

2020.02.21

クローザーから先発へ再び戻ってきた松井は22日のOP戦で先発を務める。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

クローザーから先発へ再び戻ってきた松井は22日のOP戦で先発を務める。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 プロ野球のオープン戦が今週末から本格的に始まる。

 22日(土)の4試合に先駆けて、16日には巨人×DeNAが行われたが、これから1ヶ月あまり、今季の戦力を見極めるための舞台が白熱する。

 そんなオープン戦で注目となるのは、やはり「新戦力」などの昨季とは異なった新鮮味のある試みだろう。ルーキーと呼ばれる“新人選手”たちはどの程度通用するのか、“新しいオーダー”は機能するのか、配置転換による“新たなポジション”で輝く選手たちはいるのか。

 今年の大注目で言うと、昨季38セーブを挙げて、最多セーブ賞のタイトルを獲得した楽天・松井裕樹の先発再転向だ。

 桐光学園高校時代、奪三振の甲子園記録を打ち立てた松井は、プロ入り後、制球難からつまづき、その活躍の場をリリーバーとして過ごしてきた。1球1球のボールの質が高く、もっと言えば、彼のポテンシャルが高かったからこそ、クローザーという難行をこなせたのだが、彼の能力なら先発もできるという見方は、どのような指導者が感じてもおかしくはない。
 
 かつてはクローザーから先発への転向を狙って失敗したケースもあるから、松井の再転向を懐疑的に観るメディアが存在するのだが、果たして、それは正しい見方と言えるのだろうか。

 一昨年の日米野球開催中、シーズン中に先発の機会を得ながら、リリーバーとして同シリーズに参加していた松井本人に「選手としてのビジョン」を尋ねたことがある。番記者でもない人間からの質問に少々、戸惑った様子を見せたが、そのときの、松井のしっかりした言葉には彼自身の芯の強さを感じたものだった。

「どちらが自分にとって良いかではなくて、どう言う意思でやるかなのかなと思います。以前は、自分の考えをしっかりと首脳陣に伝えないままでやっていたりしたので、はっきりしないといけないのかなと思います」

 その後、松井と話せる機会がなく、先発再転向の真相については知り得ないが、この度のチャレンジには彼なりの覚悟と割り切りが出来上がってのことだろう。

 では、いくつかのメディアが報じてきたように、クローザーからの転向は厳しい壁なのだろうか。
 
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