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先発・大谷翔平を3回まで続投させ3ラン被弾も...その後は采配ピタリ! 世界一に導いたドジャース指揮官“3つの判断”を米記者が称賛「完璧だ」

THE DIGEST編集部

2025.11.02

勝負の第7戦で選手起用の采配が光ったロバーツ監督。(C) Getty Images

 ロサンゼルス・ドジャースは現地11月1日、トロント・ブルージェイズとのワールドシリーズ第7戦に5-4で勝利。延長11回までもつれる激戦を制して2年連続ワールドチャンピオンに輝いた。

 この試合、ドジャースは大谷翔平が中3日で先発登板。立ち上がりから制球が定まらない状況で3回まで続投したが1死一、三塁にピンチを招くと、4番ボー・ビシェットに先制3ランホームランを浴びて降板。直後には、SNS上で現地記者からデーブ・ロバーツ監督に向け交代判断の遅れを指摘する声が殺到。多くの批判が集まった。

 だが終わってみれば、ドジャースは歴史的な逆転勝ち。1点ビハインドの9回にスタメン抜てきした36歳のベテラン、ミゲル・ロハスのソロ弾で同点に追い付き、リリーフ陣は本来なら先発投手のタイラー・グラスノー、ブレイク・スネルらを惜しげもなく投入して守り抜き、最後は前日先発した山本由伸を連投させる執念の采配でチャンピオンリングを掴んだ。

 歴史的な試合を演じた指揮官に現地記者からは同監督を「勝利の立役者の一人」として、称賛の声が上がっている。ドジャース専門メディア『Dodgers Nation』のノア・カムラス記者は「デーブ・ロバーツ監督は、MLB史上最高の試合の一つを監督として戦った」と振り返りつつ、以下の3つの判断を「完璧」と評価した。

・ミゲル・ロハスをスタメンに起用し、試合を全方位で救った
・守備でアンディ・パヘスを投入し、9回に劇的な捕球をした
・山本由伸を信頼し、最後の8アウトを取らせた
 
 9番・二塁としてポストシーズン4度目の先発出場を果たしたロハスは、まず3-4で迎えた9回表1死走者なしの場面で、起死回生の同点ソロホームランを放ちチームを土壇場で救った。バットだけでなく、その裏の守備では1死満塁と絶体絶命のピンチで好送球をし、サヨナラになる失点を防ぐなど堅実な守備を発揮。攻守両面で貴重な働きをみせた。

 24歳のパヘスは4-4の9回裏、足首の負傷明けで守備に懸念を抱えるトミー・エドマンに代わり、守備固めで中堅手として出場。2死満塁の場面でアーニー・クレメントの左中間フェンス際の飛球に左翼手のキケ・ヘルナンデスと交錯しながらもキャッチした。こぼしていればサヨナラ負けを喫する場面でのファインプレーだった。

 そして、ワールドシリーズMVPを獲得する大車輪の山本。第6戦に先発し6回96球を投げた右腕はこの試合、4-4の9回裏1死一、二塁の場面で救援として登場。いきなり死球を与えて満塁に広げるも、二者凡退に抑え世界一に望みをつなぐ。延長10回裏を三者凡退で終え、直後の11回表には2番ウィル・スミスの一発でドジャースが勝ち越し。恋女房から強烈な援護を受けた11回裏には1死一、三塁のピンチを招くも最後は併殺に仕留め、シリーズ3勝目を挙げた。

 スーパースターを揃える常勝軍団ゆえ注目度の高さから、ここまで采配に批判も多かったロバーツ監督だが、やはり指揮官としてワールドシリーズ出場4度、うち2回制覇の経験値は伊達ではなかった。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】ロハスの9回ソロ同点弾&途中出場パヘスの気迫のキャッチ
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