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プロ野球

「なんで優勝したら大変さを味わなきゃいけない」元盗塁王がCSに私見。自身が持つ案も披露

THE DIGEST編集部

2025.12.02

昨年はセ・リーグ3位から日本一に上り詰めたDeNA。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

昨年はセ・リーグ3位から日本一に上り詰めたDeNA。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 一部報道によると、日本野球機構(NPB)がクライマックスシリーズ(CS)制度見直しの議論を開始。今年度中にまとまれば、来シーズンからセ・パ両リーグで実施されるという。

 CSは現在、各リーグの上位3球団が出場可能。まず2位と3位のチームが2戦先勝方式のファーストステージで対戦し、勝者が優勝球団と激突。1位のチームに1勝のアドバンテージが付与され、4戦先勝方式でのファイナルステージが行なわれる。

 シーズンの最終盤を盛り上げるCSだが、課題も指摘されてきた。そのなかで代表的なのが、優勝チームが“待たされる”点だ。

 2025年だと、リーグの最終戦がセ・リーグは10月4日でパ・リーグは5日だった。その後CSファーストステージが両リーグとも11日から、ファイナルステージはともに15日。つまり、セ・リーグ王者の阪神、パ・リーグ覇者のソフトバンクは、ファーストステージを制した勢いのあるチームと10日ほど試合が空いた状態で戦わなければならなかった。

 今年はともに各リーグのトップ球団が日本シリーズに進出したが、これまでには昨年のDeNAのようにリーグ3位から日本一に輝く下克上が起きたこともあった。

 そういったなか、現役時代は横浜(現・DeNA)などで活躍し、盗塁王などを受賞した野球解説者の高木豊氏が、自身のYouTube内でCSへの私見を披露。まずは優勝チームが味わう不条理を、こう述べる。

「競って、2、3ゲームの間に3チームがいたなら、クライマックスシリーズをガチでやっても、面白いんだろう。でも今年の場合、阪神が2位との差を13ゲーム開いて優勝。それなのにドキドキしなきゃいけない。だから、日本シリーズに出るために優勝するのではなくて、別のステージだと考える。権利をシーズン中で取ったと。優勝は阪神だというようなことで進めれば何でもないんだけども、そうはいかんわな」
 
「本当はやらないのが一番いい」とまで言い切った高木氏だが、収益面などを考慮し、よりベターな案を提示。CSの時期を工夫すればよいと主張する。

「(リーグ戦が)終わったら、すぐやる。あれだけリードしていて、待たされて調整が大変なのが、なんで優勝したら大変さを味わわなきゃいけないんだということだと思う。(日程が)終わらないんだったら、ダブルヘッターとか。9月30日まで絶対に終わらせなきゃいけないとする」

「ちゃんと明確化して、(10月)1日からクライマックスシリーズを始めれば、2、3位はピッチャーのやり繰りが大変だろうし、エース級で勝ち上がろうとするだろう。中1日ですぐ優勝チームと戦うから。それなら、アドバンテージ1勝で十分だと思うんだよね」

 またゲーム差を、試合の点数に反映するシステムも提案する。

「トップから5ゲーム以上をつけられたチームは、5点ビハインドになる。今年の場合だったら(阪神は)13ゲーム、13点もらえる。分配は自由にどうぞと。ただ5ゲーム以内だとそれは適用できない」

 さらにMLBを参考にし、「東、中、西、3地区を作って、1つはワイルドカードにして、4チームで戦う。それが一番綺麗」と地区制の導入も挙げた。

 はたして、NPBはどのような結論を出すのだろうか。発表が待たれる。

構成●THE DIGEST編集部

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