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プロ野球

安定感抜群の投球は新人王の予感…。故障も癒えた中日2年目の本格派、勝野昌慶に膨らむ期待

小中翔太

2020.02.22

昨季は1勝にとどまったが、ファームの練習試合で好投した勝野は、新人王の権利を持ち期待できる。写真:日刊スポーツ/朝日新聞社

昨季は1勝にとどまったが、ファームの練習試合で好投した勝野は、新人王の権利を持ち期待できる。写真:日刊スポーツ/朝日新聞社

 これぞ右の本格派、と誰もが唸るような圧巻の投球だった。

 DeNAとの練習試合(ファーム)に臨んだ中日の勝野昌慶が2回からの2イニングを6人でピシャリ。安定感抜群の投球で2年目の飛躍を予感させた。

 ストレートは常時140キロ台中盤を記録し、ドロンとした縦のカーブでタイミングを外す。追い込んでからアウトローに140キロ近いフォークとキレのあるスライダーを投げ込めば打者のバットは止まらない。

「集中力を保って、自分のやりたいことを考えてしっかり準備できたなと思います」

 注目のDeNAドラフト1位ルーキーの森に対しては初球にインコースへズドンと投げ込んだ。

「意識はしてない。要所で力を入れようという風に今日はやっていたので。スピードにこだわるというよりはちゃんとコースを突くことと、決める時はしっかり投げ切るだけでした」

 勝野はそう謙遜したが、実はこの時の球速は150キロを計測していた。
 
 速球派投手はフライアウトと奪三振が増える傾向にある。

 2回を簡単に6人で片付けた内訳はフライアウト5つと三振が1つ。しかも右打者はライトフライ、ライトフライ、セカンドフライ、左打者はサードファールフライ、ショートフライと押し込でのものばかりだ。芯を捉えた打球は1つもなく、勝野の球威が相手打者のスイングを勝っていた。これだけの投球を披露すれば1軍で活躍する日もそう遠くはないだろう。

「怪我明けなのでまだわからないですけど、(1軍に)呼ばれたらしっかり投げる気持ちではいます」

 ルーキーイヤーの昨季は即戦力として期待されながら故障に泣き1勝止まり。昨秋にヘルニアを発症したため、2020シーズンへの取り組みはリハビリからスタートした。キャンプも1軍の北谷ではなく2軍の読谷で汗を流すが、腰は問題なく調整も順調にきているという。

「今、良い感じできてるので、このピッチングを続けながら球威とか変化球の精度にこだわってやっていきたいです。とにかく怪我なく1年間、1軍でも2軍でもしっかり投げることをテーマにしていきたいです」

 社会人からの入団だが、高卒入社のため22歳と年齢も若い。
 昨季の1軍登板は3試合で16回1/3と新人王の権利を残している。シーズン後、タイトルホルダーの仲間入りを果たしていても何ら不思議はない。

取材・文●小中翔太

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【著者プロフィール】
こなか・しょうた/1988年1月19日生まれ。京都府宮津市出身。大学野球連盟で学生委員を務め裏方の道へ。関西を中心に活動しウェブ媒体や雑誌に寄稿する。

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