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プロ野球

【DeNA】「1番・牧秀悟」の起用と9回バントの真髄――靍岡ベンチコーチが明かす新時代の戦略

THE DIGEST編集部

2026.03.30

横浜DeNAを率いる相川監督(右)と靏岡ベンチコーチ。(C) Getty Images

横浜DeNAを率いる相川監督(右)と靏岡ベンチコーチ。(C) Getty Images

☆牧秀悟の1番起用のワケ

 3日間とも横浜ブルーに染まった横浜スタジアムでの開幕3連戦。結果は残念な3連敗となってしまったが、相川亮二新監督のカラー、ビジョンは垣間見えた。

 まずは牧秀悟の1番起用。開幕戦でいきなり初球をスタンドに運ぶ一打は、この3連戦でも一番の盛り上がりを見せる場面だった。3戦連続でマルチヒットをマークし、打線に火を付ける起爆剤の役目は果たした。だが相川監督はもうひとつのプランニングを思い描いていた。
 
「なんとか下位が出塁して牧のところにつなげていくか。これは1年間のキーになるところです」

 リーグ屈指の強打者にランナーを溜めて回していけるか。かつての日本球界の主流であった“俊足強打”タイプの1番ではなく、チームが採用しているのはもっと合理的で攻撃的な考え方。

 参謀役の靍岡賢二郎ベンチコーチはその真意を明かす。

「基本的な思想はセイバーに基づいています。一番いい打者を1番に置いて、細かい話になりますが2番にはダブルプレーを回避できる足があればなおいいですし、4番は長打が打てる選手というようなところですね」

 打順が1つ上がれば、シーズンを通した打席数は確実に増える。チームで最も期待値の高い打者に、1回でも多くバットを振らせる。牧秀悟の1番起用にはシンプルな論理が存在する。

 一方でデータは絶対ではない。選手の“今”を見極め、それをミックスさせる柔軟性も重要になる。「打率も今はすごく上下動します。試合を重ねていくなかで、誰をどの位置に据えるのがベストか。常に柔軟に、その時々のベストを探っていかなければならないと思っています」とフレキシブルな視点を基本線とする。

「蝦名(達夫)などは、見ての通り、いい時に比べると状態自体はちょっと落ちているので、今は下がっています。ただ、状態が良ければ2番に入る可能性も十分ありますし、5番に入る力も元々持っている。現状の調子や試合での捉え方、練習での雰囲気など、あらゆる判断材料を加味して、今の位置に落ち着いているということです」 

 下位打線についても、意図はしっかりとしている。8番にはショートの林琢真と石上泰輝が3戦ともに入った。「8番に出塁を期待できる小技の効く選手を置き、9番のピッチャーに送らせる。そこから押し上げてトップの牧に回していく」という循環型の構造を意識している。この“どこからでも牧に繋ぐ”という意識こそが、今季の打線が持つ怖さの本質になる。
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