「あなたが打席に立つ打者だと想像してほしい。ストライク判定の投球を見送った後、これまで何度もやってきたようにヘルメットの上に手を置いて位置を直す、あるいは、投手として力の入った一球を投げた後、ずれた帽子を直すこともあるだろう。しかし、そのどちらの場合も、あなたは球審に対して“ABSチャレンジを使いたい”と合図してしまったことになる」
MLBは今シーズンから自動ボール・ストライク(ABS)判定システムを導入。実際に球審の判定が覆る場面が数多く見られている。球審の判定に異議がある場合、打者、投手、捕手のいずれかが頭を触るジェスチャーをすればABSチャレンジを要求でき、各チームは1試合で2回失敗するまで使用できる。
もはや見慣れた光景にもなってきたABSチャレンジについて、米スポーツ専門誌『Sports Illustrated』が現地4月12日の記事で「偶発的なABSチャレンジがMLBの新たなトレンドになっている」と伝えた。
冒頭のような説明を記した同誌は、選手が頭を手で触る動作について「キャップやヘルメットを触る癖がある選手にとっては問題になる。チャレンジの合図なのか無意識の仕草なのか分からない。そこで今シーズン序盤に新たな傾向が生まれている。それが意図しないチャレンジだ」と報じた。
例えば現地4月8日に行なわれたトロント・ブルージェイズ対ロサンゼルス・ドジャース戦。ドジャースの先発・大谷翔平とウィル・スミス捕手のバッテリーが初回の1球目の投球で、球審のボール判定にABSチャレンジを使用したシーンだ。
同誌は、1球目を投げた後に大谷が帽子を触るジェスチャーをすると、これを見たスミスが球審にABSチャレンジを要求したのではないかと推測。「球審のボールの判定通り、大谷の初球はストライクゾーンを外れたものだった。しかしなぜ、大谷とスミスは1球目からチャレンジをする必要性があったのか」と記し、一連のシーンが「意図しないチャレンジ」だったと断じた。
「このシーンを振り返ってみると、投げ終わった大谷がキャップを直そうと帽子に手を伸ばしていたことが分かる。スミスは大谷の仕草をチャレンジの意思だと誤解したのか、それとも、自分のフレーミング技術に自信があったのか分からない。ただ、偶発的なチャレンジが起こりえる予兆は確かにあった」
同誌はほかにも、現地12日に行なわれたタンパベイ・レイズ対ニューヨーク・ヤンキース戦、ピッツバーグ・パイレーツ対シカゴ・カブス戦でも意図しないチャレンジがあったと言及。同誌によると、レイズ対ヤンキース戦の球審はブルージェイズ対ドジャース戦で球審を務めたダン・ベリーノだった。
ベリーノ球審はヤンキースのベン・ライスが見逃し三振した後にヘルメットの上部を触ったため、チャレンジの合図と解釈。「ライス本人は“確かにヘルメットを触ったが、チャレンジの意思はなかった”と振り返っているが、ABSチャレンジが発動した結果、ライスは判定通り見逃し三振となり、ヤンキースは意図せずに1度目のチャレンジを失敗しまった」と記している。
このように選手側に意図がなく、球審の“勘違い”が元で発動したチャレンジ例を挙げた同誌は、「こうした出来事は多少の面白さはあるが、将来的に議論になるかもしれないし、場合によっては“チャレンジに対するチャレンジ”を引き起こす可能性がある。実際、“相手チームのチャレンジが遅すぎた”と抗議した監督が退場処分になったケースもある」と課題を挙げた。
「解決策はおそらくシンプルだ。球審が選手に対して誤解を避けるために口頭でチャレンジの意思を確認すること。あるいは頭を触る動作ではない別のジェスチャーに変更することだ」
意図しないチャレンジ事案が発生しているABSシステムが今後、どのように運用されていくのか注目だ。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】意図せずにABSチャレンジを使用? 大谷翔平とライスの仕草に注目
MLBは今シーズンから自動ボール・ストライク(ABS)判定システムを導入。実際に球審の判定が覆る場面が数多く見られている。球審の判定に異議がある場合、打者、投手、捕手のいずれかが頭を触るジェスチャーをすればABSチャレンジを要求でき、各チームは1試合で2回失敗するまで使用できる。
もはや見慣れた光景にもなってきたABSチャレンジについて、米スポーツ専門誌『Sports Illustrated』が現地4月12日の記事で「偶発的なABSチャレンジがMLBの新たなトレンドになっている」と伝えた。
冒頭のような説明を記した同誌は、選手が頭を手で触る動作について「キャップやヘルメットを触る癖がある選手にとっては問題になる。チャレンジの合図なのか無意識の仕草なのか分からない。そこで今シーズン序盤に新たな傾向が生まれている。それが意図しないチャレンジだ」と報じた。
例えば現地4月8日に行なわれたトロント・ブルージェイズ対ロサンゼルス・ドジャース戦。ドジャースの先発・大谷翔平とウィル・スミス捕手のバッテリーが初回の1球目の投球で、球審のボール判定にABSチャレンジを使用したシーンだ。
同誌は、1球目を投げた後に大谷が帽子を触るジェスチャーをすると、これを見たスミスが球審にABSチャレンジを要求したのではないかと推測。「球審のボールの判定通り、大谷の初球はストライクゾーンを外れたものだった。しかしなぜ、大谷とスミスは1球目からチャレンジをする必要性があったのか」と記し、一連のシーンが「意図しないチャレンジ」だったと断じた。
「このシーンを振り返ってみると、投げ終わった大谷がキャップを直そうと帽子に手を伸ばしていたことが分かる。スミスは大谷の仕草をチャレンジの意思だと誤解したのか、それとも、自分のフレーミング技術に自信があったのか分からない。ただ、偶発的なチャレンジが起こりえる予兆は確かにあった」
同誌はほかにも、現地12日に行なわれたタンパベイ・レイズ対ニューヨーク・ヤンキース戦、ピッツバーグ・パイレーツ対シカゴ・カブス戦でも意図しないチャレンジがあったと言及。同誌によると、レイズ対ヤンキース戦の球審はブルージェイズ対ドジャース戦で球審を務めたダン・ベリーノだった。
ベリーノ球審はヤンキースのベン・ライスが見逃し三振した後にヘルメットの上部を触ったため、チャレンジの合図と解釈。「ライス本人は“確かにヘルメットを触ったが、チャレンジの意思はなかった”と振り返っているが、ABSチャレンジが発動した結果、ライスは判定通り見逃し三振となり、ヤンキースは意図せずに1度目のチャレンジを失敗しまった」と記している。
このように選手側に意図がなく、球審の“勘違い”が元で発動したチャレンジ例を挙げた同誌は、「こうした出来事は多少の面白さはあるが、将来的に議論になるかもしれないし、場合によっては“チャレンジに対するチャレンジ”を引き起こす可能性がある。実際、“相手チームのチャレンジが遅すぎた”と抗議した監督が退場処分になったケースもある」と課題を挙げた。
「解決策はおそらくシンプルだ。球審が選手に対して誤解を避けるために口頭でチャレンジの意思を確認すること。あるいは頭を触る動作ではない別のジェスチャーに変更することだ」
意図しないチャレンジ事案が発生しているABSシステムが今後、どのように運用されていくのか注目だ。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】意図せずにABSチャレンジを使用? 大谷翔平とライスの仕草に注目




