MLB

史上最強級助っ人タフィー・ローズが26年前のMLB開幕戦で達成した大記録とは?

宇根夏樹

2020.03.12

94年開幕戦で意外な大活躍を見せたローズだったがMLBではレギュラーを獲得できず、96年に近鉄へ入団した。(C)Getty Images

 新型コロナウイルスの影響により、日本プロ野球は開幕の延期を決定。メジャリーグは少なくとも現段階では、予定通り3月26日(日本時間27日)に開幕を迎える。

 これまで、開幕戦の1試合3本塁打は4人が成し遂げている。その2人目はタフィー・ローズ。後に、近鉄や巨人でプレーし、2001年に王貞治が持つプロ野球記録(当時)に並ぶ年間55本塁打、通算でも歴代13位、助っ人外国人では最多の464本塁打を放ったスラッガーだ。

 今から26年前の1994年4月4日。カブスの「1番センター」としてメッツ戦に出場したローズは、1回裏の先頭打者アーチを皮切りに、3打席続けてリグリー・フィールドのスタンドへ叩き込んだ。相手はサイ・ヤング賞経験もあるドワイト・グッデンだっただけに、カブスファンの熱狂も相当なものだった。この日のローズは4打数4安打、1四球、3打点。続く4打席目と5打席目も、四球とシングルヒットで出塁した。
 
 ちなみに、ローズの4打席目に4球を投げ、半ば敬遠のように歩かせたエリック・ヒルマンは、翌年から日本プロ野球へ移った。ローズは96~03年に近鉄/大阪近鉄、04~05年に巨人、07~09年にオリックスでプレーし、ヒルマンは95~96年に千葉ロッテ、97年は巨人で投げた。2人は日本でも96年に対戦しているが(メジャーではこの1打席のみ)、日米のどちらでも本塁打はなかった。

 カブスは8対12で敗れたものの、同じ日に他の球場でプレーした選手を含め、ローズは誰よりも強烈なインパクトを残した。当時は、メジャー5年目の25歳。それまでの4シーズンは計107試合の出場で5本塁打に過ぎなかったが、前年は3Aの123試合で30本塁打を記録した。この開幕戦から2年後に日本でプレーすることになろうとは、まったく想像できなかった。特に、3本塁打とも引っ張らずにセンターの左へ打ち返したところに、将来性を感じさせた。