プロ野球のドラフト会議は、未来ある若者の進路が決まる場である。それは指名があってもなくても同じだ。
支配下76人、育成51人の計127人が指名を受けた2026年のドラフト会議。その中で渡部海(青山学院大)は、いの一番で名前を呼ばれた。2球団競合の末、交渉権を獲得したのは東北楽天ゴールデンイーグルスである。
捕手という特殊なポジションで高校、大学を日本一に導いた「勝てるキャッチャー」の注目度は高く、会見場には多くの報道陣が訪れた。東京を拠点とするキー局・新聞社だけでなく、名古屋を本拠地とするテレビ局のクルー、仙台を拠点とする新聞社の記者の姿も早い時間から確認された。
16時40分、渡部が会見場に現れた。ともに指名を待つ投手の鈴木泰成、安藤寧則監督も含め、さすがに表情は硬い。大型プロジェクターに12球団陣営の入場が映されても、表情ひとつ変えずに見守っていた。
17時04分、一巡目のアナウンスが始まった。「第一巡選択希望選手、東北楽天、渡部海」という声が聞こえた瞬間、場内は大きな拍手に包まれた。その後、中日も入札して、2球団競合の抽選に。奇しくもセ・パ両リーグの最下位チームから指名を受けた形になった。くじ引きの結果は、先にくじを引いた石井一久GMが拳を握り、楽天に交渉権がもたらされた。




