プロ野球のドラフト会議は、未来ある若者の進路が決まる場である。それは指名があってもなくても同じだ。
支配下76人、育成51人の計127人が指名を受けた2026年のドラフト会議。その中で鈴木泰成(青山学院大)は一巡目の入札で名前を呼ばれた。2球団競合の末、交渉権を獲得したのは福岡ソフトバンクホークスである。
各球団の一巡目がコールされた時、実は青山学院大の会見場では鈴木の名前が聴けない恐れがあった。映像トラブルで大型プロジェクターに映し出された画面が止まり、音声も不安定な状態だったからだ。実際、ロッテの指名は事後に判明していた。その後持ち直し、ソフトバンクの指名の際は滑らかな映像で伝わり、コールも明瞭に聞こえた。
その時の心情を本人が語る。
「(画面が止まっている時に)呼ばれたらどうなるんだろうって思いはありましたけど、画面が切り替わった時に(テロップに)自分の名前があってホッとしました。それと、最初の名前(のコールを)聴きたかったなと思いましたね(笑)。単独指名が続く中で、改めてしっかりと名前を呼んでいただけてよかったです」
城島健司CBOがくじを当てた瞬間、こわばっていた表情が少し緩んだ。チームメイトからも背中越しにたくさんの祝福を受けていた。後に「ホッとした気持ち」と振り返ったが、競合必至と言われる逸材でも、やはり名前を呼ばれるまでは不安なのだろう。
最速155キロの速球が最大の武器で、「堂々と強気で投げられることが持ち味」と語る。下級生時はリリーフの切り札、学年が上がるにつれて先発での経験も積んできた。「先発・救援どこでもできることが強みですし、ソフトバンクさんに求められた役割をしっかり果たせるように」と、ポジションにはこだわらない考えを示す。