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LAのファンはショック! シーズン全日程が中止になればベッツはドジャースで1試合もプレーしないままFAへ

2020.03.27

ベッツは18年に首位打者とMVPを獲得。4年連続ゴールドグラブ受賞と守備も超一流だ。(C)Getty Images

 3月26日、MLB機構と選手会は新型コロナウイルス拡大によるシーズン開幕延期に伴う規定の見直しなどについて合意した。そこで、今シーズン終了後にフリー・エージェント(FA)権を得るはずだった選手たちの処遇について、重要な決定がなされた。

 本来、FA権利を得るためには6年のメジャーリーグ経験が必要とされる。その際に使われるのが「サービスタイム」という概念だ。サービスタイムとは25人ロースターに登録された日数のことで、172日間で1年とカウントされる。これが6年分蓄積されることでFAの資格を得ることができるというわけだ。。

 今回の開幕延期を受け、球界関係者の間ではFA間近の選手のサービスタイムの問題をどのように解決するのかが注目されていた。結論として、シーズンが短縮されたとしても、年間を通じてアクティブ・ロースターもしくは故障者リストに入っていた選手は1年分のサービスタイムを得られること、またシーズンが中止となった場合も同様の措置を取ることでMLB機構と選手会は合意した。
 
 これにより、2020年終了後にFA権を得るはずだったムーキー・ベッツ(ドジャース)、JT・リアルミュート(フィリーズ)、マーカス・ストローマン(メッツ)、トレバー・バウアー(レッズ)、ジョージ・スプリンガー(アストロズ)、マーカス・セミエン(アスレティックス)らは予定通りFA市場に出ることになった。

 今回の決定で大きなダメージを受けるのがドジャースだ。1988年を最後に遠ざかるワールドチャンピオン獲得の最後のピースとしてベッツ獲得に動いたドジャースは、2月に2人の若手有望株との交換トレードで18年のMVPとデビッド・プライスを獲得した。短縮シーズンならまだしも、全日程が中止となった場合、ベッツはドジャースのユニフォームで1試合も公式戦をプレーしないままFA市場に出ることになる。

 一日も早いシーズン開幕を誰も望んでいる状況だが、LAのファンは余計にその思いが強いかもしれない。

構成●スラッガー編集部
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