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ESPNの名物記者が語る「メジャーデビュー当時のイチロー」。ピネラ監督の前で”予告ホームラン”を放った逸話も

2020.04.04

ピネラ監督の目の前で‶予告ホームラン

ピネラ監督の目の前で‶予告ホームラン"を打って見せるなど、デビュー前から卓越したバットコントロールをアピールしていた。(C)Getty Images

 19年前の4月2日にイチローがメジャーデビューしたのを記念して、ESPNのティム・カークジアン記者が、『ハンバーガー、数学、そしてバットへのイチローの愛』と題した記事を投稿。渡米当時のイチローの思い出についてつづられている。

 カークジアン記者は、最初にイチローを取材したときに「アメリカのどこが一番気に入っているの?」と質問したという。するとイチローは「ハンバーガーがたくさんあるところだね」との答えが返ってきた。現役時代、毎日ランチにチーズバーガーを食べていたといもいわれるイチローらしいエピソードだ。
 
 また、当時マリナーズの監督を務めていたルー・ピネラとの間には、こんなエピソードもある。最初の打撃練習でイチローは、弱い当たりを打ってばかりいた。それを見ていたピネラが、「レフトに緩いゴロを打つ以外に何ができるんだ?」と聞くと、イチローは「あなたが望むなら、あそこに打つこともできますよ」とライトスタンドを指したという。「頼むぞ」とピネラが答えた次の瞬間、本当に打球はライトフェンスを越えていった。
 
 ピネラ監督といえば"瞬間湯沸かし器"のあだ名があったほど、せっかちで短気な性格。レッズの監督時代は、抗議の際にベースを引き抜いて放り投げ、退場を宣告されたこともあるほど。その彼に「他に何ができるんだ?」などと言われたら相当の威圧感だっただろうが、それでも涼しい顔で実力を証明してみせるあたり、さすがはイチローだ。

 なお、そのピネラ監督は、イチローがメジャー初安打を放った時は我がことのように喜び、思わず彼を抱きしめ、頬にキスまでした。「このことは生涯忘れない」とまで賛辞を贈られたイチローは、一言「キモかった」と感想を漏らしたというエピソードも残っている。
 

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