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プロ野球

“千賀フォーム”導入を経たからこそ今がある。先発転向を目指す若鯉・遠藤淳志の現在地

前原淳

2020.04.07

一軍デビューを果たした昨年はリリーフとして活躍した遠藤。今季は先発ローテーション入りを狙っている。(写真)滝川敏之

一軍デビューを果たした昨年はリリーフとして活躍した遠藤。今季は先発ローテーション入りを狙っている。(写真)滝川敏之

 今年1月、福岡ではなく、広島のメディアに“千賀”の見出しが躍った。正しくは“千賀フォーム”。高卒3年目の遠藤淳志が取り組んだ新フォームが「千賀滉大(ソフトバンク)にそっくり」とチームメイトが口にしたことが大きく取り上げられたのだ。その後の自主トレ期間、キャンプインと、期待の大きい右腕には常に〝千賀フォーム〟がつきまとった。

 遠藤は当時を振り返り、苦笑いする。

「千賀さんに申し訳ないなと正直思いました。僕がそこでしっかり結果を出せなかったので、それは僕の力不足」。

 2017年に霞ケ浦高からドラフト5位で広島に入団した。2年目の昨年6月に一軍初昇格を果たすと、8月21日ヤクルト戦でプロ初勝利をマーク。3日後の24日中日戦では球団最年少セーブ記録を更新するプロ初セーブを挙げた。シーズン終盤には勝ちパターンの一角として起用され、今村猛や一岡竜司など実績者を上回る34試合に登板した。
 
 シーズンを駆け抜け、飛躍のきっかけをつかんだものの、何かが足りなかった。先に一軍昇格を果たした同期の山口翔は先発でプロ初勝利。目指すべき舞台は、そこだった。「来年は先発で投げたい」。こだわりの強い先発で1軍のマウンドに立つ、そして守り続ける。その思いを強くした。胸に秘めるのではなく、メディアも力強く宣言。覚悟を決めた。

 新体制となった秋季キャンプでは、初めてスタートから1軍キャンプに参加した。シーズンで得た収穫と課題をぶつけた投球で、新首脳陣の評価を一気に上げた。すでに遠藤の名は新シーズンの先発ローテーション候補の1人に挙げられる存在となっていた。

 だが、オフの自主トレから広島に戻った1月中旬、遠藤のフォームは大きく変わっていた。それが“千賀フォーム”だ。

 シーズン終了直後に取り組んだものではない。広島に戻る数日前、キャンプインの約2週間前に変えたものだった。

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