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【MLB今日は何の日】全米をアッと言わせた史上屈指の好プレー。メジャー1年目のイチローが見せた“レーザービーム”

2020.04.11

メジャー1年目から10年連続ゴールドグラブを獲得したイチロー。打つだけでなく守備も超一流だった (C)Getty Images/写真は2004年撮影

 2001年4月11日、日本人メジャーリーガー史上、いやMLB史上でも最高クラスのプレーが誕生した。"ザ・スロー"--イチローが披露した伝説の"レーザービーム"である。

 この年、メジャーデビューを果たしたイチローは、日本で7年連続首位打者を獲得した天才的打撃技術を開幕から発揮し、徐々にその地位を確立させつつあった。11日の敵地オークランド・アスレティックス戦、初めて先発を外れたイチローだったが、8回表に代打で登場してヒットを放つと、0対0の均衡を破る先制のホームイン。その裏、定位置のライトの守備についた。

 先頭打者のテレンス・ロングがヒットで出塁し、1死後、ラモン・ヘルナンデスがライト前ヒットを放つ。一塁走者のロングは二塁を回り、三塁を狙った刹那、ライトからの強烈な送球がロングを抜き去り、三塁手のデビッド・ベルのグラブに収まった。

 イチローが見せたあまりに完璧なスローイングは、その時のアナウンサーが叫んだフレーズから「レーザービーム」と呼ばれ、彼の代名詞となった。同時に、外野手のダイレクト補殺時に使われるフレーズとして定着した。 昨年、MLB.comが行った「史上最高の外野送球」部門では、見事ファン投票1位に選ばれている。
 
 イチロー本人が「あれをもう一度やれと言われても、もう見せられない」と振り返るほどの会心のプレー。"犠牲者"となったロングも「あの打球でアウトにするには、完璧な送球が必要だったはずだ。実際、完璧だったよ」と脱帽している。

"レーザービーム"をきっかけに、イチローの強肩好守はアメリカでも広く知られることとなった。この年から10年連続ゴールドグラブを獲得。ルーキーイヤーから10年続けての受賞は歴代最長である。

 相手走者は次第に先の塁に進むことをためらうようになった。後にイチローとチームメイトになるデレク・ジーターも、「イチローのところに打球が飛んだら、よほどのことがない限り三塁まで行かなくていいと言われた」と語っていたほどである。

 圧倒的な武器はその威力だけでなく、存在そのものが抑止力になる。イチローの"レーザービーム"は文字通り、相手への脅威であり続けたのだ。

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構成●SLUGGER編集部
 
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